10/16-17の2日間、東京・錦糸町の墨田区総合体育館で開催されたSJJJF主催の全日本選手権。
国内にある柔術連盟の中で一番新しい連盟であるSJJJF(SPORT JIU JITSU JAPAN FEDERATION=スポーツ柔術日本連盟)は今回で4回目の全日本選手権開催となる。
JBJJFはアダルト、ノーギ、マスターの全日本をそれぞれ別日に開催しているが、SJJJFはアダルトとマスター、そしてキッズの全日本をこの2日間で同時開催している。
その中からまずはアダルトとマスターの黒帯の試合を紹介する。
アダルト黒帯には昨年も出場していた芝本幸司が連続参戦。
昨年は階級を上げてライトフェザーだったが今年は適正体重のルースターでワンマッチながら試合が成立している。
その相手はチアゴ・ウエノで、チアゴは色帯でIBJJFヨーロピアン優勝の他、IBJJFアジアなどでも優勝するなど、数々のタイトルを獲得して黒帯に昇格、今大会が黒帯でビュー戦だった。
試合は2−2のタイスコアからスイープを決めた芝本が4−2で勝利し、大会2連覇を果たすとともにJBJJF全日本での敗戦イメージを払拭した。
またノーギで数々のタイトルを手にする米倉大貴も出場して8月以来のギの試合に挑み、2試合を勝ち抜いてアダルト黒帯ライトフェザー級で金メダル獲得。
そしてマスター黒帯ではヒザの負傷で長く試合から離れていた中村大輔が今大会で久しぶりに試合出場し、ワンマッチ決勝戦ながら絞めによる一本勝ちで復帰戦で優勝の快挙を果たしている。
JBJJF全日本で10連覇を山本博斗に阻まれて敗れた芝本幸司(トライフォース)が今大会で復帰戦。黒帯デビューのチアゴ・ウエノ(IGLOO)との初対決。
試合は2−2のタイスコアから試合終了直前にスイープし4−2に。最後はしっかりと抑え込んで勝利をモノにした。
ベテラン・芝本が新鋭・チアゴから盤石の勝利でSJJJF全日本の2連覇と共にJBJJF全日本からの復帰戦を勝利で飾った。
アダルト黒帯ライトフェザー優勝の米倉大貴(IGLOO)。JBJJF全日本では1回戦負けも今大会では抜群のトップゲームで2試合を勝ち抜いての金メダル。
1回戦は山田秀之(トライフォース)から絞めで一本勝ち、決勝戦はパウロ・ヤギヌマ(Over Limit BJJ)から大量ポイントを獲得しての勝利。どちらも圧勝だった。
マスター3黒帯ライトのワンマッチ決勝戦に挑んだ中村大輔(PATO STUDIO)。田端佑介(パラエストラ千葉)をサイドからの絞めで瞬殺した。
2020年のIBJJFヨーロピアン優勝以来、約1年9か月振りの試合出場も、そのブランクをまったく感じさせない動きで圧倒的な強さは健在。これから本格復帰を期待したいところだ。
スケジュールの都合でマスターの試合に出られずアダルト黒帯オープンクラスにのみ出場した高本裕和(高本道場)。得意技のヒザ固めを極め、パウロ・ヤギヌマ(Over Limit BJJ)とのワンマッチ決勝戦を制した。
すでにマスター3の年齢になっている高本だが、マスターの試合が行われる日曜日はパンクラスのレフェリーの仕事があったためにアダルトに出たとのこと。アダルトでも充分に通用する実力は流石だ。
マスター3黒帯ライトフェザーのワンマッチ決勝戦は堀川雅弘(CARPE DIEM)が森下悠助(パラエストラ東京)から勝利して優勝。森下はアダルトもマスターも出場したが勝ち星なしでがっくり。
Photo and text 橋本欽也/Kinya Hashimoto