96年に記念すべき1回目のムンジアル=IBJJF主催のブラジリアン柔術・世界選手権が開催されてから20余年。
毎年定期的に開催されていたこのムンジアルだが、2020年はコロナ禍により開催が中止となり遂に連続開催が途絶えてしまった。
世界的に蔓延するCovid-19の猛威はいまだ衰えることを知らず、いまは従来のウイルスよりも感染力が強いとされるオミクロン株が出現し、新たな脅威としてその深刻さの度合いを深めている。
そんな中で2年ぶりに開催されたムンジアルは従来の会場であるロサンゼルス・ロングビーチのピラミッドではなく、ロサンゼルスの隣のオレンジカウンティのアナハイム・コンベンションセンターで行われた。
ここはコロナ禍以前の2019年に開催されたADCCの会場として知られているが、広さこそ充分なものの、これまでのムンジアルのような華やかさに欠け、ややこじんまりとしたイメージだった。
だがコロナ禍でも開催されたムンジアル、ロケーションや規模のことなど問題ではなく、マット内の試合が最重要ポイント。
これから複数回に渡り、ムンジアル2021の試合の数々をレポートしていきたい。
まずは軽量級のルースターからライトまでの黒帯決勝戦を紹介していく。
会場のアナハイム・コンベンションセンター。オレンジカウンティにある商業施設でここでは2019年にADCCが開催された会場だ。
黒帯ルースター決勝戦
マイキー・ムスメシ(ペディゴサブミッション)
vs
ブルーノ・マルファシーニ(アリアンシ)
下馬評通りの2強が勝ち進んだ決勝戦はマイキーがブルーノのバックを奪うなどして優位に試合を進めて6-0で勝利しムンジアル4連覇を成し遂げた。
黒帯ライトフェザー決勝戦
ジエゴ・パト(シセロコスタ)
vs
マラチ・エジムンド(ロイドアーヴィン)
IBJJFのパン&ワールドノーギ王者のパトが“マジックマン”の異名を持つマラチをマウントから絞めを極め、6:06 一本勝ちで優勝、2021年のIBJJFグランドスラムを達成した。
黒帯フェザー決勝戦
ファブリシオ・アンドレイ(ファイトスポーツ)
vs
シェーン・ヒル・テイラー(ロイドアーヴィン)
日本のアニメ『NARUTO-ナルト-』のファンで“ホカゲ”を自ら名乗るファブリシオがかつてのムンジアル王者のシェーンヒルを電光石火の三角絞めを極め、1:55 一本勝ちでムンジアル初制覇。
黒帯ライト決勝戦
ヘナート・カヌート(チェックマット)
vs
マテウス・ガブリエル(チェックマット)
2019年のムンジアル王者のマテウスと2018年のムンジアル準優勝のヘナートのチェックマットでクローズアウト。優勝はヘナートとなり悲願のムンジアル初優勝を決めている。
Photo and text by 橋本欽也/Kinya Hashimoto