全日本マスターの紫帯カテゴリーで最大の注目だったのは今大会で初めて行われたマスター7の年齢カテゴリーでの試合が実現したことだろう。
マスター7は60歳以上の選手がエントリーできる年齢カテゴリーで、海外のIBJJFでは昨年から募集が行われており、国内のJBJJF主催大会では今大会が初めての募集となった。
ここに意気込んでエントリーしていたのが、ブラジルブログでインタビューも行っている三浦傑(マサル/ボンサイ柔術)だ。
■ブラジルブログでのインタビュー「三浦傑・マスター7初代王者になります」はコチラから!
三浦はすでに還暦を迎えており、これまでは年齢カテゴリーを下げて、マスター5やマスター4、ときにはアダルトにも参戦する血気盛んな柔術家。
だが兼ねてより自身の適正年齢カテゴリーでの試合を熱望しており、それが今大会でやっと叶うこととなった。
マスター7紫帯ライトのワンマッチ決勝戦に挑んだ三浦は軽い身のこなしで腰絞めのセットアップから前転しての回転襟絞めを極めての快勝。
さらにオープンクラスは1人エントリーだったため、戦わずして優勝となり、マスター7紫帯の初代王者になっただけでなく、Wゴールド獲得という快挙を成し遂げた。
この会心の勝利に表彰台では破顔一笑、「コロナ禍で練習もままならない中ではありますが、まだまだこれからも頑張ります!」と、現役続行を高らかに宣言していた。
還暦を超えても試合ができること、同じ年齢層の相手と切磋琢磨できるというのは、年齢に関わらず楽しめる柔術ならではのこと。
今大会に出場していたマスター世代の柔術家たちには、これからも末永く柔術を嗜んでいって欲しいと思う。
マスター7紫帯ライトのワンマッチ決勝戦に挑んだ三浦傑(ボンサイ柔術)。今大会で初めて実現した適正年齢での試合に気合十分でマットに上がった。
この試合では身のこなしも軽やかに自ら回転しながらの送り襟絞めで一本勝ちした三浦。大会前に宣言していたようにマスター7紫帯の初代王者に輝いている。
マスター1紫帯ライトフェザーで決勝戦に勝ち進んだ清水清隆(TRIBE TOKYO MMA)だが、立野剛(ヒロブラジリアン柔術アカデミー横浜)に6-0で敗れ準優勝に終わる。
外国人対決となったマスター1紫帯ミドル決勝戦はケビン・ケーナ(ねわざワールド)がアルマンド・ルベ(ボンサイ柔術)から勝利して優勝を果たした。
マスター2紫帯ミディアムヘビー優勝の西野太二 (HOLO I MUA)はパワフルな柔術が持ち味。強靭なフィジカルを武器に勝ちを重ねていた。
IGLOO BJJのオーナーの斉藤穂高はマスター4の年齢ながら、あえてマスター1紫帯スーパーヘビーにエントリー。1回戦を勝利し決勝戦に勝ち上がるもパスガードされ準優勝に。大会後に茶帯昇格となった。
マスター4紫帯ルースターにはパラ柔術家の重水浩次(トラスト柔術アカデミー)が出場し、1回戦を片手のみで極めるフットロックで一本勝つも決勝で敗れ準優勝に。だが表彰台で茶帯を巻かれ長かった紫帯をついに卒業した。
女子マスター3紫帯ライトフェザーはワンマッチ決勝戦。田村由里子(トライフォース)が北川文(PATO STUDIO)から勝利して金メダルを獲得。【勝敗を訂正】
昨年と同じくワンマッチ決勝戦だった浦辺里香(トライフォース)と北西顕子(CARPE DIEM)の女子マスター3紫帯フェザー決勝戦は浦辺が勝利して昨年のリベンジを果たしている。
女子マスター4紫帯フェザーは砂川久美子(上野御徒町ブラジリアン柔術部)が増田あゆみ(トライフォース)から9−0で勝利してワンマッチ決勝戦を制して優勝を決めた。
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Photo and text 橋本欽也/Kinya Hashimoto
JBJJFの今後の大会(3月〜4月)