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【コラム】IBJJFワールドマスターを見て感じたこと①|新明佑介

画像の選手は、ウェリントン・リール・”メガトン”・ディアス。

9月1-3日ネバダ州ラスベガスで開催された『IBJJFワールドマスター柔術選手権』に出場し、マスター6黒帯ライト級で優勝。御年54歳の大ベテランだ。
そしてこれまでにもマスターカテゴリーで何度も世界一に輝いている。

メガトンの娘マッケンジー・ダーンは柔術世界王者、ADCC王者、ワールドノーギでも優勝している女子柔術家である。
コーチとして自分の娘がこれだけの成績を残していると自身の試合へのモチベーションなどどこかに吹っ飛んでしまいそうだが精力的に試合に出場し続けている。
ワールドマスターとはそういった大先生もこの日の為にコンディションを整えて勝利を目指す舞台なのだ。
世界中のアスリート同士達の世界最大の柔術の祭典であることを改めて感じることができた。


大会を通じてすごく感じることが多かったのでコラムとして皆さんにお伝えすると共に自分への備忘録としたいと思います。

まず今回私は、主の目的はメディアとして渡米した訳ではなく、ガリットチュウ福島善成さんのサポートという形でラスベガス入りしました。
「なんだよ。JIU-JITSU NAVIなのに一選手に肩入れするのか?」と言われちゃいますが、メディアとしての取材は橋本欽也さんがいらしていたのでお願いし、自分が所属するトライフォース柔術アカデミーの同門でJIU-JITSU NAVI案件ことガリットチュウ福島さんのワールドマスターチャンピオンへの道を優先させてもらいました。
橋本さんが取材したワールドマスターの様子は、「JIU-JITSU NAVI MAGAZINE Vol.2」に掲載します。そちらをお楽しみに!

少し話は逸れますが、福島さんとは出会いから書いていきたいと思います。
それは、皆さんご存知プログラップリング大会QUINTET(クインテット)なのです。
2021年7月12日後楽園ホールで開催された「QUINTET FIGHT NIGHT 7 in TOKYO」のエキシビションマッチで福島さんはSAKU Jr.&桜庭和志選手と戦いました。
福島さんは、自分より一回り以上若く、東海大柔道部を引退したばかりで、父の才能を存分に受け継いだグラップリングの天才児SAKU Jr.と対戦。自己流で練習を始めた福島さんは当然のことながら良いところなくエキシビションマッチを終えました。試合であれば完敗。

以前からInstagramをフォローするくらいの福島ファンだった私は、芸能界最強・怪力と言われていた福島さんの闘いを見てお笑い芸人としては、桜庭和志選手とも絡みがあり大会の賑やかしとし使命を全うしてくれてありがたいなぁと感じていました。

その1ヶ月後に私は、JIU-JITSU NAVIや他の仕事を優先することにして3年間勤めたQUINTETアシスタントプロデューサーを辞任しました。
今までお世話になった関係者に辞任の挨拶をLINEで電話で送りました。そして連続参戦予定だった福島さんにも当然辞任の挨拶をLINEで送ったのでした。

福島さんとは同い年で以前からファンだったこともあり親しみがありましたが、ファンというものはあまり本人と接したく無いものです。嫌な思いをして嫌いになりたく無いですからね。皆さんも分かりますよね?一定の距離を置いて付き合いたいものです。辞任の連絡以前はLINEを交換していましたが特に連絡をしていませんでした。

そんな福島さんと連絡を取り合い何度かやりとりしている時に「機会があったら一緒に練習しましょう!」という話になりました。
そしてその翌週に練習を共にする機会を得ました。
お住まいが神奈川県なので遠出になりますが、トライフォース新宿にご足労いただき芝本幸司が指導するレギュラークラスに参加。その後お誘いして近所で食事をしました。

同い年という事と根っからの格闘技ファンでめちゃくちゃ知識も多い福島さんとすぐに仲良くなりました。
食後にお茶しましょう。ハオミンの店舗行きましょう。もう一回お茶しましょう。という感じで午前中から夕方17時までガッツリ語り合いました。
お互い予定があり、別れようという時にQUINTETでSAKU Jr.にボロクソにされたことを悔しく思っているという福島さんの思いを聞きました。
そしてそこで僕が提案したのが「一緒に柔術やりましょうよ。そしてラスベガスで開催されるワールドマスターに挑戦するのはどうですか?」という言葉でした。

福島さんはそこで稲妻が落ちたという表現をしていましたが、「ワールドマスターに挑戦したいです!」という事でした。
福島さんは、「闇営業問題」・「コロナで営業仕事の激減」という逆境の中、柔術で世界王者を目指すという挑戦は、誰もがぶっ飛んだ話で否定的だったはずです。

誘った責任があるので、私はガリットチュウ福島さんのサポートとして時間とお金を使ってラスベガスに行ったのでした。

©︎井賀孝/Takashi Iga

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