最近にわかに賑やかになってきてきる日本のグラップリングシーン。
昨年から今年にかけて数々のグラップリングイベントが多数開催され、それぞれが個性的なルールとマッチメイクで話題を集めている。
そんな中、新たに旗揚げしたのがこの「極~KIWAMI~」だ。
この大会は旗揚げ戦にも関わらずに幕張メッセという大会場にケージを設置して幕開けし、ここではグラップリングマッチの他に柔術マッチ1試合とMMAの試合も行われた。
その他にも今大会の主催者の一人である村田良蔵自らが出場し。所英男と行ったエキシビジョンマッチも組まれており、カードは盛りだくさんだった。
このように今大会ではグラップリング・柔術・MMAと、1大会で様々なルールの試合が混在するのは面白い試みだった。
ケージ=MMAのイメージだが、このケージの中でのグラップリングや柔術マッチというのは今大会の特色として定着していくのかどうか、主催者の手腕にかかっているといえるだろう。
そんな今大会で組まれたグラップリングマッチはどれもが柔術家vs MMAという図式のものとなっており、見る側からしたら対抗戦を意識して感情移入しやすかったと思われる。
今後はどのようなマッチメイクがされていくのか、どのように独自色を演出していくかも含めて、これからの展開に注目していきたい。
極ルール 66㎏以下契約
手塚基伸(第7代 GRACHAN バンタム級王者シークレットベースドミネート/コブラ会)
vs
石黒翔也(2021 年全日本柔術選手権黒帯ライトフェザー級優勝/CARPEDIEM)
グラチャン王者の手塚と国内無敗の黒帯、石黒のMMAvs柔術のトップ対決。試合は石黒が終始コントロールし続けて0-4の判定勝ち。試合後のは手塚のMMAでの再戦アピールに呼応した石黒の動向が気になる。
極ルール80㎏以下契約5分1R
岡本裕士(全日本マスター柔術選手権2022 マスター3黒帯ミドル級優勝/RJJ)
vs
川中孝浩(第4代GRANDウェルター級王者/ BRAVE)
マスター世代の岡本がグラップリングマッチにチャレンジしたが川中の強靭なフィジカルの前に成す統べなく玉砕。6-2で勝利した川中のトップポジションのキープ力は圧巻だった。
極ルール73㎏以下契約5分1R
マイケ大浦(全日本階級&無差別優勝/IGLOO)
vs
芦田崇宏第8代DEEPフェザー級王者/BRAVE)
ここにきてやっと国内トップ選手の自覚が芽生えてきたマイケが「柔術を背負って戦う」の言葉通りに芦田を圧倒。ポイントこそ8-4だが内容的にはマイケの完勝といっていいだろう。
極ルール 74㎏以下契約
新居すぐる(HI ROLLERS ENTERTAINMENT/Yawara Jiu-Jitsu Academy)
vs
小見川道大(NEO JUDO ACADEMEY )
現役のMMAファイター・新居と元MMAトップ選手の小見川という図式の対戦は新居がクルスフィクスからのセンタクハサミを極めて3:25、劇的な一本勝ちでフィニッシュ。
極柔術ルール64㎏以下契約
高橋逸樹(CarpeDiem)
vs
伊集龍皇(パラエストラ小岩)
ともにティーンエイジャーというフレッッシュな顔合わせは今大会唯一の柔術マッチ。青帯の高橋が紫帯の伊集に巧みなガードワークで攻めるが展開を作れず。結果はレフェリー判定で伊集が制すも2-1という薄氷の勝利だった。
村田良蔵と所英男のグラップリングのエキシビジョン。エキシビジョンのため勝敗はなしだったが、両者ともいい動きを見せ、大会に華を添えていた。
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Photo and text 橋本欽也/Kinya Hashimoto