エジソン・カゴハラが会長のASJJF=アジア・スポーツ柔術連盟が主催するプロ柔術「ART」(エー・アール・ティー)。
2021年の年末に初開催され、今夏で4回目の開催となっている。
このARTはASJJFで結果を残している選手たちの新たな活躍の場を提供したいとの思いでスタートしたプロ柔術で、前回大会では初の賞金トーナメントを開催し好評を博した。
そして今回はASJJF主催大会のチャンピオンクラスの選手をずらりとラインナップし、豪華なワンマッチが対戦カードに並んでいる。
その中でメインに据えられたのは石黒翔也とヘナート・オリヴェイラの日伯国際戦で、もちろん初対決となる。
石黒は記念すべきARTの旗揚げ戦でメインを務めた選手で、ARTにはそれ以来の参戦となるが、今大会の後には7/23にフィリピン・セブで開催のフィリピン初のプロ柔術「ARTフィリピン.1」に出場することが決定済み。
それだけに今大会も負けるわけにはいかないところだったが、試合が終わってみればフットロックで秒殺一本勝ちという圧勝劇。
この勝利を引っ提げて勇躍フィリピンに乗り込んでいく石黒翔也は胸を張って日本を代表する黒帯として存分に活躍してきて欲しいところだ。
またセミファイナルにはマスター黒帯のトップ対決として白木アマゾンと高本裕和の初対決があり、この試合はサドンデスに及ぶ激闘で高本がパスガードして勝利を果たした。
そして意外にも今回がART初参戦の森戸新士も瀬谷俊彦から盤石の勝利を果たし、試合後コメントではART継続参戦希望を声高に叫んでいる。
黒帯フェザー
石黒翔也(CARPE DIEM MITA)
vs
ヘナート・オリヴェイラ(GFチーム)
今大会のメインは日本vsブラジルの国際戦で、未知の強豪・ヘナートをわずか1:28でフットロックで一蹴し石黒翔也が一本勝ち。
国内無敗記録を更新した石黒は7/23にフィリピン・セブで開催されるプロ柔術「ARTフィリピン.1」にも出場し、日本代表として現地の黒帯と対戦した。
マスター黒帯ライト
白木大輔(CARPE DIEM HOPE)
vs
高本裕和(高本道場)
セミファイナルで組まれたマスター黒帯の注目の一戦はサドンデスでパスガードを決めた高本が接戦を制した。試合後に白木は負傷で長期欠場を自身のSNSでリリースしている。
黒帯ライト
森戸新士(Leos Jiu Jitsu Academy)
vs
瀬谷俊彦(トラスト柔術アカデミー)
広島でASJJFの大会サポートもしている森戸がART初参戦し、瀬谷から12-0という大差の判定勝ち。今後もART継続参戦を希望しており、次回大会にも参戦濃厚だ。
茶帯ミドル
藤田大(パラエストラ千葉)
vs
イ・ジュンヒ(ジョンフランクルJJ)
日韓戦の藤田vsイの茶帯マッチは得意技のエゼキエルを繰り出しつつポイントを重ねていった藤田が9-2で勝利。極めきれずも試合内容は圧勝だった。
茶帯フェザー
斉藤晶(INFIGHT JAPAN)
vs
谷口雄基(パラエストラ千葉)
大会直前に決まったこの試合はスイープの応酬の中、4-2で斉藤が勝利。両者とも急なオファーでの試合出場だったが常に大会に出られるコンディションだんあたのは流石だ。
茶帯ライト
アン・テウ(ジョンフランクルJJ)
vs
ベルトラン・キーナ・ケビン(ねわざワールド小江戸)
その独特な風貌で韓国でも知られるアンとスペイン出身のベルトランの韓国vsスペインの国際戦はサドンデスでテイクダウンを決めたアンが辛勝。
ノーギ紫帯ミドル
ビクトル・ロドリゲス(RRT)
vs
フランク・ロレンゾ(Leos Jiu Jitsu Academy)
今大会唯一のノーギマッチはスタンドの攻防に多くの時間を費やすも決着つかずでサドンデスに突入。そこでバックマウントを奪ったビクトルがギリギリの勝利。
紫帯フェザー
平澤宏樹(ALMA FIGHT GYM LIFE)
vs
城戸泰介(LEOS Jiu Jitsu academy)
両者ともMMAをバックボーンとしつつも柔術でも活躍する選手同士の対戦は一進一退の攻防の末にサドンデスでテイクダウンに成功した平澤が勝利もやや不完全燃焼か。
プロ柔術「ART」は初の海外大会をフィリピン・セブで開催された。
今後はこのように海外での開催も数多く予定されており、その他の候補地としては韓国・中国・台湾などが挙がっている。
Photo and text 橋本欽也/Kinya Hashimoto