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【SAMBO 】『第49回全日本サンボ選手権大会』試合レポート

202325日、墨田区総合体育館において第49回全日本サンボ選手権大会が行われた。今大会はスポーツサンボ男子全7階級、女子は参考試合を含む2階級、コンバットサンボ2階級が組まれ、成績上位者は今年の世界大会など国際大会出場の権利を得ることが出来る。

スポーツサンボ

男子58kg級は3人の総当り戦、6連覇中の馬場元気(至学館大学院)の独壇場となった。初戦で後輩の椿魁皇王(至学館大学)相手に試合開始早々アキレス腱固めで一本勝ち、2戦目で元52kg級王者の山本晃太選手(元町整形外科)相手に腕ひしぎ十字固めで一本勝ちし優勝を決めた。馬場はこれで7連覇と記録を伸ばした。

男子64kg級は1人欠場で11人の最大トーナメントとなった。決勝は前年王者の熊崎夏暉(至学館大学)と2018年にFIAS会長杯サンボ選手権大会(韓国・仁川)で準優勝の瀬古賢伸(志誠会)の顔合わせとなった。熊崎は初戦シード、2回戦を腕ひしぎ十字固めで一本勝ち、準決勝をテクニカル一本勝ちで決勝に駒をすすめた。対する瀬古は初戦を投げによる一本勝ち、2回戦をテクニカル一本勝ち、準決勝を中島仁(至学館大学)との接戦を制し決勝へたどり着いた。

熊崎が積極的に攻め続けパッシブの累積によりポイント2-0に、終盤巻き返しを図り瀬古も攻めるがポイントにつながらず熊崎がそのまま2-0 P1-3で勝利をものにした。

男子71kg級は1人欠場の10人トーナメント。決勝に勝ち上がったのは高校生の高橋洵乃介(松本第一高校)と天川寛大(志誠会)。高橋は初戦ポイント差の勝利ながら2回戦、準決勝と一本勝ちして決勝へ。天川タックルで1ポイント先取、高橋も攻め続けパッシブの累積で1ポイントを取って並ぶもラスト25秒再び天川のタックルから抑え込みにより高橋タップ。天川が優勝した。

79kg級は1人欠場の5人トーナメント、5人中4人が至学館大学という戦いになった。

決勝は角田大樹(至学館大学)と木村和真(至学館大学)。手の内が分かっているためなかなかポイントにつながらず、パッシブの累積により1-0  P1-2で角田が接戦を制した。

88kg級は1人欠場の4人トーナメント、南條伯彬(南山高校教諭)は準決勝を腕ひしぎ十字固めで一本勝ち、佐藤雅典(東海大付属札幌高校)は準決勝を不戦勝で決勝進出した。

けんか四つの両者、序盤あまり動きが無く両者にパッシブが入る。中盤に南條の体落としのフェイントから支えつり込み足により1ポイント、スタンドから組みなおした直後に佐藤すかさず投げで相手に膝をつかせたところを押し込んで4ポイント取返し逆転。スタミナ切れの南條パッシブを取られ佐藤に1ポイント献上、ラスト気力を振り絞って攻める続けるが試合終了のホイッスル。5-0 P1-2により佐藤が勝利した。

98kg5人トーナメントの決勝は池田希(いけだ接骨院)と岩田敬太(志誠会)の戦いとなった。

序盤に池田のきれいな内股が決まり4ポイント、寝技に持ち込みたい岩田と付き合わない池田の攻防が繰り広げられるも岩田にパッシブ2入り5-0に。そのまま試合終了、5-0 P0-2により池田が優勝をつかんだ。

98kg4人トーナメント、鎌田倖太朗(東海大学付属札幌高校)と大多和青空(同朋大学)の両者は準決勝をポイント差で勝ち決勝へ。試合開始早々鎌田が体落としで1ポイント、そのまま仕掛け続ける鎌田に対し受け身の大多和にパッシブ2が入り2-01パッシブ追加で鎌田3-0とポイント差を広げる。ラストにタックルが決まり2ポイント追加、鎌田5-0 P0-3で勝負を決めた。

女子は54kg1人、65kg2人による参考試合と80kg2人の試合が組まれた。

54kg65kgの総当りの参考試合、初戦54kg級の瀬古奈々香(航空自衛隊)と65kg級の村山はるか(至学館大学)の対戦は4-0 P0-3で村山が勝利、2戦目は65kg級の上原愛菜(至学館大学)が瀬古と対戦し9-0のテクニカル一本勝ち。3戦目は65kg級同士の戦いを村山が抑え込みからの腕ひしぎ十字固めで一本勝ちした。

これにより54kg級は瀬古の一人優勝、65kg級は村山の優勝が決まった。

女子80kg級ワンマッチは小川真美(至学館大学)が倉部綾子(kichijyoji-fit)との接戦を制した。倉部は果敢に膝十字に入るも極まらず、お互いなかなかポイントにつながらないまま小川パッシブ2、倉部パッシブ1でラスト1分。倉部がそのまま逃げ切ると思われたが小川背負い投げを仕掛けるも防がれたあと粘りを見せ押し込み1ポイント。1-1 P1-2で小川が優勝をもぎ取った。

コンバットサンボ

コンバットサンボは64kg級と88kg級の2階級行われたが、全選手スポーツサンボとコンバットサンボ両方エントリーしている。

64kg級は3人トーナメント、初戦を谷中辰弥(墨田サンボクラブ)相手にポイントで勝利した木村卓二(SKアカデミー)だが、次の試合で熊崎夏暉(至学館大学)に腕ひしぎ十字固めで一本負け。熊崎の2戦目は谷中の欠場により熊崎の優勝。スポーツサンボとコンバットサンボのダブルゴールドの活躍だった。

88kg級ワンマッチ決勝、スポーツサンボでは79kg級で準優勝の木村和真(至学館大学)が階級を上げ太田吉紀(アブソリュート岡山)と対戦。打撃で前に出る太田を寝技に持ち込み抑え込みで4ポイント入ったのを確認後、腕ひしぎ十字固めに移行。開始50秒で優勝を決めた。

大会MVPスポーツサンボは64kg級の熊崎夏暉(至学館大学)、コンバットサンボ88kg級の木村和真(至学館大学)が選ばれた。今後熊崎はプロレスラーを目指し、木村はプロMMA選手を目指し練習を重ねる。両者が近い将来活躍するのを期待している。

公式結果

撮影:八木沼志保/Shiho Yaginuma
試合写真

撮影:新明佑介/Yusuke Shinmyo
試合写真

Photo and text by 八木沼志保/Shiho Yaginuma

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