2月2日、墨田区総合体育館にて『第51回全日本サンボ選手権大会』が行われた。
前大会からマスターカテゴリーも追加され、若手からベテランまで熱い戦いが行われた。
大会の様子をレポートします。
■58kg級 (4人トーナメント)
第1位 馬場 元気 (志誠会)
第2位 小谷 鷹哉 (Kichijoji-fit)
第3位 岡崎 浩史郎 (三多摩サンボスクール)
第3位 守屋 直樹 (M-WORKS)
8連覇中の馬場元気選手が実力差を見せつけ準決勝を腕ひしぎ十字固め、決勝を小谷鷹哉選手相手にストレートフットロックとオール一本で優勝を決めた。これで9連覇となり、また一つ師匠の松本秀彦氏の記録に近づいた。
■64kg級 (10人トーナメント)
第1位 塩谷 颯大 (東海大学)
第2位 中島 仁 (至学館大学)
第3位 瀬古 賢伸 (志誠会)
第3位 黒野 陸 (至学館大学)
優勝候補の前年度準優勝の大隈吉央選手の欠場により、2試合一本勝ちの中島仁選手とテクニカル一本含め2試合勝利した塩谷颯大選手の決勝となった。積極的に仕掛ける両者だが中盤までポイントが入らず。終盤投げによる1ポイントを先取した塩谷選手は必死に追いかける中島選手を抑え、もう1ポイント追加し2-0で勝利。優勝をもぎ取った。
■71kg級 (15人トーナメント)
第1位 川口 桜次郎 (東海大学)
第2位 井口 匠平 (志誠会)
第3位 齊藤 理央 (至学館大学)
第3位 木下 颯王 (日本体育大学)
15人と最大人数トーナメントとなったこの階級、決勝は前年度優勝の井口匠平選手と前年度3位の川口桜次郎選手が対戦した。背中を持ち投げ技を狙いつつタックルも織り交ぜながら攻める井口選手に対し背負い投げや足技で対抗する川口選手、細かいポイントを積み重ねた川口選手が4-0で勝利、井口選手にリベンジした。
■79kg級 (12人トーナメント)
第1位 石間 勇斗 (東海大学)
第2位 角田 太樹 (至学館大学)
第3位 奥村 匠美 (日本体育大学)
第3位 村山 貴泰 (至学館大学)
決勝戦は前年度3位、初戦腕ひしぎ十字固めで一本勝ちした角田太樹選手と初戦テクニカル一本勝ちの岩間勇斗選手。
小内刈りでポイントを重ねる石間選手に対し1ポイントを返した角田選手だが追いつけず、3-1で石間選手が勝利し優勝した。小内刈りが冴えわたった石間選手はMVPも獲得した。
■88kg級 (6人トーナメント)
第1位 山城 和也 (日本体育大学サンボ会)
第2位 米盛 太一 (至学館大学)
第3位 太田 陽也 (M-WORKS)
第3位 中山 賢一 (三多摩サンボスクール)
共に初戦をテクニカル一本で勝利した山城和也選手と米盛太一選手の決勝。山城選手が隅返しなどでポイントを重ねて最後は抑え込み、相手にポイントを与えずテクニカル1本で圧勝、優勝を決めた。
■98kg級 (4人トーナメント)
第1位 萩田 耕市 (日本体育大学)
第2位 岩田 敬太 (松本道場)
第3位 西岡 烈志 (東海大学付属札幌高等学校)
第3位 藤田 兼寿 (三多摩サンボスクール)
初戦を腕ひしぎ十字固めで一蹴し、寝技も得意な岩田敬太選手と萩田耕市選手の決勝。岩田選手がシングルレッグのタックルで倒し4ポイント先取、その後寝技に持ち込みたい岩田選手と付き合わない萩田選手の攻防は終盤動き出す。疲れの見え始めた岩田選手を萩田選手が捉え、一本背負い投げで2ポイントその後もポイントを追加してとうとう同点に追いつく。しかし残り35秒、岩田選手の1ポイント追加で勝負がつくかと思われたが、ラスト15秒、萩田選手は小外刈りで4ポイント奪取し逆転で接戦をものにした。
■+98kg級 (6人トーナメント)
第1位 Chino Sy Tancontian (フィリピンサンボ連盟)
第2位 井手 大心 (正國寺グラップリングクラブ宮崎)
第3位 小澤 幸康 (TEAM-KAZE)
第3位 佐々木 太一 (Team AKIBA)
初のフィリピンサンボ連盟からChino Sy Tancontian選手が参戦した。
投げによる一本で勝ち上がったChino選手と脇固めによる一本で勝ち上がった井手大心選手の対戦、体格の勝るChino選手相手に井手選手はなかなか組み手を作れずパッシブ3つで2点献上。後が無くなって攻める井手選手を捉えたChino選手は小外刈りで4ポイント、1ポイント返した井手選手だが、Chino選手再び小外刈りを2回8ポイント追加でテクニカル一本、オール一本勝ちで優勝した。
■女子54kg (3人トーナメント)
第1位 吉野 美貴子(横浜消防レスリング部)
第2位 坂山 永(至学館大学)
第3位 吉野 永真(至学館大学)
積極的に攻める坂山永選手だがなかなかポイントにつながらず、着実にポイントを重ねた吉野美貴子選手が投げと抑え込みによりテクニカル一本勝ち。初戦を腕ひしぎ十字固め、決勝をテクニカル一本とオール一本で優勝した。
■コンバット64kg級 (4人トーナメント)
第1位 村山 大介(マスタージャパン)
第2位 小谷 亮太 (アブソリュート岡山)
第3位 木村 卓二 ( SKアカデミー)
第3位 谷中 辰弥 (墨田サンボクラブ)
前年度反則負けにより3位で終わってしまったMMA選手の村山大介選手だが、今年は腕ひしぎ十字固めできっちり一本勝ち、決勝へと駒を進めた。対する小谷亮太選手はアマチュアMMAの出場経験もある。
お互い打撃で様子見つつ小谷選手がタックル、村山選手が潰して打撃という展開が続くが、
最後は打撃の後バックポジションからの腕ひしぎ十字固めで一本勝ちの圧勝で優勝した。
■コンバット71kg級 (3人トーナメント)
第1位 井口 匠平 (志誠会)
第2位 木下 颯王 (日本体育大学)
1人欠場のため、井口匠平選手と木下颯王選手のワンマッチ決勝。
打撃での攻防の中、井口選手のタックルが決まり4ポイント。打撃の攻防の中、井口選手の打撃により木下選手出血するが、止血後試合再開。木下選手も打撃で1ポイント追加も再び出血。必死に反撃をするが出血し試合ストップ。前年度不戦勝優勝だった井口選手が、今年はきっちり勝利して優勝を決めた。
■コンバット88kg級 (4人トーナメント)
第1位 三宅 創大(日本体育大学)
第2位 竹内 出(アブソリュート岡山)
第3位 坪谷 綸都(イーストリンカンラスカルジム)
コンバットサンボと言えば竹内出選手。ベテランながら過去出場した3大会はすべて優勝している。今回も順当に決勝進出、対するは柔道強豪の三宅創大選手。
竹内選手タックルにより1ポイント先取しその後もポイントを重ね2ポイント追加し優勢で試合が進む。後半は三宅選手が何度も投げを仕掛けるも耐えて攻撃をする竹内選手、残り1分20秒三宅選手はとうとう内股を決め4ポイント。逆転され攻めるしか無くなった竹内選手、残り20秒で抑え込みの体制になるもぎりぎりでポイントにつながらず惜敗。逃げ切った三宅選手の優勝となった。
敗れたものの年齢差30歳以上、最後まで気迫の攻撃を続けた竹内選手の戦いに会場も熱気と感動に包まれた。
■大会MVP
男子79kg級優勝 石間 勇斗 (東海大学)
コンバット64kg級優勝 村山 大介(マスタージャパン)
Photo and text by Shiho Yaginuma/八木沼志保