ASJJF会長のエジソン・カゴハラが意気込んでスタートしたプロ柔術「ART.3」。
昨年12月に旗揚げ戦を開催し、今春に2回目を開催、そして今大会で3回目の開催となる。
過去2大会は東京・大久保のGENスポーツパレスでの開催だったが、今大会は11/13(日)、東京・代々木のミューズ音楽院ホールで開催されている。
今大会の目玉はいつも通りの豪華ワンマッチに加え、オールベルト&無差別の賞金トーナメント「名翔テックカップ」だ。
トーナメント名の通りに大会協賛の名翔テック様が賞金30万円を提供して開催された、日本柔術界初のオールベルト&無差別トーナメントはプロマッチだが、一般から広く出場選手を公募して集められた。
そうやって決まったトーナメントは1回戦の顔合わせから黒帯vs色帯というレギュラートーナメントでは実現し得ない、レアな対戦が続出し、これぞプロマッチといえるトーナメントとなった。
その中で突出した強さで優勝したのは、トーナメントの中で唯一の紫帯だったカウアン・タニノだった。
1回戦、準決勝と黒帯相手に一本勝ちして決勝戦に勝ち上がると、その決勝戦こそ判定勝ちとなったが、対戦相手に反撃のチャンスを与えない一方的な試合展開に終始して圧勝でのトーナメント制覇。
名翔テックカップを優勝して賞金30万円を獲得し、さすがワールドクラスの実力者ぶりをまざまざと見せつけていた。
このASJJF主催のプロ柔術「ART」は、来年度からはさらに大会開催数を増やし、また地方大会開催も視野に入れているとのこと。
さらに海外のアジア各国での開催プランもあるとのことで、日本の渡航制限の緩和とともに大会運営が一気に加速しているようだ。
国内外での大会開催を目指すプロ柔術「ART」シリーズ、次回大会開催のアナウンスを心待ちにしたい。
名翔テックカップ・決勝戦
クレイグ・ハッチソン(CARPE DIEM)
vs
カウアン・タニノ(福住柔術)
準決勝を勝利したランジェルだが、その試合で消耗し体調不良で決勝戦を棄権。そのため準決勝でランジェルに敗北したクレイグが代理出場し大健闘。パスガードされ敗北もカウアンに極めさせず、またペナルティを2つ与えたのは特筆モノだろう。
アダルト黒帯フェザー
井手史竜(CARPE DIEM)
vs
加古拓渡(GSB)
新鋭・井手とベテラン・加古という図式の試合は互いにスイープを1回ずつ決めて2-2のタイスコアから最後の最後にスイープでさらに2ポイントを得た加古が激勝。
ノーギ・アダルト黒帯ライトフェザー
江木伸成(LEOS JIU JITSU ACADEMY)
vs
坂本純(トライフォース)
九州地区で名を売る江木がノーギ&グラップリングで数々の実績を残す坂本から6:30 RNCを極めて一本勝ち。この勝利は大金星といえる価値ある1勝だ。
マスター黒帯フェザー
村田良蔵(YAWARA)
vs
石田浩(頂柔術)
SJJJF会長の村田が久しぶりに試合出場し、石田のチャレンジを受けるもスイープからマウント、バックマウントと次々とポジションを移行していき最後は3:14 リストロックでサクッと一本。
マスター黒帯ライトフェザー
木部亮(SPLASH)
vs
山田悦弘(Holoimua)
ともにART.1に出場していた両者の一騎打ちはサドンデスに突入する混戦になるも、ここでスイープを決めた山田が劇的な勝利で歓喜の雄たけび。
アダルト紫帯フェザー
正田皇輝(ストライプルオハナ)
vs
泰直希(スウェルズ柔術ジム)
紫帯に昇格したばかりの正田がSJJJF全日本王者の秦と対戦という注目の顔合わせだったが、正田の勢いは止まらずに一気に攻め切ったまま5-2で勝利となった。
女子アダルト青帯フェザー
吉永愛(パラエストラ岐阜)
vs
本庄あやな(CARPE DIEM)
いまや女子青帯のトップ選手となった吉永姉妹の姉・愛とCARPE DIEMのアスリートプログラム選手の本庄の高校生対決は吉永が4:44 腕十字を極めて一本勝ちした。
ジュニアティーン橙帯ミドル
須田雄律(SCORPION GYM)
vs
青木凰夏(CARPE DIEM MITA)
過去に対戦経験があり、そのすべての試合で負けている須田が満を持してリベンジのチャンス到来。スイープ合戦の乱打戦を8-6で競り勝った須田が嬉しい初勝利を挙げた。
女子ジュニアティーン橙帯ミドル
吉永さくら(パラエストラ岐阜)
vs
倖田來弥(LEOS JIU JITSU ACADEMY)
吉永姉妹の妹・さくらも姉同様に連勝しまくるトップ選手だが、そのさくらに対して10-2という大差で判定勝ちした倖田は逸材。今後の成長ぶりに期待したい。
Photo and text 橋本欽也/Kinya Hashimoto