まだまだ続くコロナ禍での大会運営だが、国内での大会は感染対策の徹底しながら、開催スケジュール的にはほぼコロナ禍以前と同じように戻ってきたことと思う。
だがそんな中にありながらも、IBJJF主催のアジアオープンは海外からの渡航制限があり、IBJJFスタッフの来日ができないため、2019年を最後に開催されていない。
そこで存在意義を大いにアピールしているのが、エジソン・カゴハラが会長を務めるASJJF(アジアスポーツ柔術連盟)主催のアジアオープンだ。
正式な大会名はアジアンオープンで、このコロナ禍にありながらも2020年こそ開催延期となったが、その後は2021年と2022年と継続開催されている。
昨年の2021年大会はアジアンオープンとはいえ、海外からの参戦はなかったが、今年はちょうど大会の数週間前に渡航制限が一部解除されたため、日本のみならず近隣諸国からの参加があった。
韓国、中国、フィリピン、モンゴルなどから遠征してきた選手たちと日本国内の日本人やブラジリアンたちが2日間に渡って熱戦を繰り広げており、国際色豊かで活気溢れる大会となった。
さらにASJJFと提携しているグアムのマリアナスオープン運営チームも大会視察に訪れていた。
来年の3月にはエジソンがマリアナスの日本大会の「マリアナスプロ・ジャパン」を開催し、その大会での成績優秀者がグアムで開催されるマリアナスオープンに出場するという国際交流も行われる。
このアジアンオープンとグアムのマリアナスオープンの2つの国際大会が今後この日本でどういった位置付けの大会になっていくかも興味深いところだろう。
会場の青山記念武道館は名古屋から1時間ほどかかる半田市にある。この交通の便が悪い場所に2日間で延べ人数1300人もの選手が集結。
本来はマスター3の年齢カテゴリーのヨースキ・ストー(Impacto BJJ)だが今大会はノーギはマスター2、ギはアダルトに出場。ノーギはミディアムヘビー&オープンでWゴールド。
ギでもミディアムヘビー&オープンクラスでWゴールドのヨースキはギ&ノーギで4つの金メダル=クアドラプル・ゴールドの快挙。盤石の強さは相変わらずだ。
アダルトからマスター1に年齢カテゴリーを変更し、階級もミドルに上げてエントリーした加古拓渡(GSB)は2試合を一本勝ちして決勝戦進出も、チアゴ・ハタダ(UJJC)に敗れ準優勝に終わる。
マスター2黒帯でウルトラヘビー&オープンクラスでWゴールドだったのはランジェル・ホドリゲス(RRT)。どちらもワンマッチ決勝戦でケネス・トーマス(LEOS)から一本勝ちした。
マスター2黒帯ライトフェザーの3人巴戦を制して優勝の戸所誠哲(パラエストラ岐阜)は久しぶりの試合参戦。かつてはAJPのアジアランキング1位だったが海外大会からは遠ざかっている。
マスター3黒帯ライト&オープンクラスでWゴールドの白木大輔(CARPE DIEM HOPE)は全試合一本勝ちという圧勝ぶり。SJJIFルールの試合は10年ぶりぐらいと言うが極めてしまえば違いはない。
東京から遠征して参戦の高橋圭太(上野御徒町ブラジリアン柔術部)がマスター4黒帯ライトで優勝。決勝戦は同じく東京から遠征の稲野岳(CUTE)から勝利している。
いまやレジェンドといってもいい往年のビッグネーム、カーロス・トヨタ(カーロストヨタBJJ)がマスター5黒帯オープンクラスのワンマッチ決勝戦で勝利して金メダル獲得で現役ぶりをアピール。
今大会に視察で訪れていたマリアナス運営チーム。マリアナス主催者のステーブ・シミズ(左)は「グアムでは多くても300人ぐらいの参加者でこんなに多い大会は初めて!」と驚愕。
【柔術プリースト】# 528:ASJJF ASIAN OPEN 2022:アダルト黒帯【ブラジリアン柔術】Jiu Jitsu Priest
Photo and text by 橋本欽也/Kinya Hashimoto