紫帯で頭ひとつ抜けた存在感を見せつけたのがフェザー優勝のダニーロ・ハマザキだろう。
ダニーロは昨年の全日本紫帯フェザー決勝で鈴木和宏にペナルティ1差で敗退し苦杯をなめたが、今シーズンはJBJJFをはじめ、ASJJF、SJJJF、UFC INVITESに積極参戦。
無敗のまま全日本にエントリーすると、持ち前のトップからの強さを見せつけ、決勝は一本勝利で金メダルを獲得した。今月末開催の配信大会〈KIT03〉では山下健士とのライト級ワンマッチも決定し、俄然注目度は高まっている。
また、昨年の全日本青帯・紫帯で表彰台に上った選手を下して優勝した岸田宙大や近藤卓弥らの活躍も光った。帯色の違いなどももちろんあるとはいえ、新たなチャンピオ/Users/newlights/Desktop/紫帯/紫帯.txtンの誕生は選手間での実力が拮抗し、選手層に厚みが出ていることの表れといえるだろう。
ルースターを制したのは岸田宙大(柔専館)。岸田は福元大介(CARPE DIEM)との初戦を後転スイープからの三角絞めで秒殺勝利し、決勝へ進出。昨年の同級王者・高杉魁(ALMA FIGHT GYM HOMIES)との決勝は接戦となるも、序盤のダブルガードからのアドバンテージが効いて2-2、A1-0で勝利。2019年の青帯に続く優勝となった。
ライトフェザー王者は近藤卓弥(バルボーザ柔術ジャパン)。初戦をチョークで快勝した近藤は決勝で昨年の青帯王者・中村元(リバーサルジム新宿Me, We)と対戦。互いにペナルティを重ねる展開だったが、中村からスイープで2ポイントを奪われた終盤、ベリンボロからスイープ、パスマウントの猛攻を見せて9-2で近藤が勝利。
12人トーナメントのフェザーはダニーロ・ハマザキ(CARPE DIEM)が優勝。初戦がシードのダニーロは2回戦で伊東大生(バッファロー柔術)を11-0、準決勝で須藤拓真(X-TREME EBINA)を3-2で下して決勝に進み、パンクラスに参戦する総合格闘家・井村塁(ネクサセンス)と対戦。序盤からプレッシャーを与え続けたダニーロはバックテイクの機を逃さずに4ポイントを得ると2分20秒、バックチョークで一本勝利。準優勝に終わった昨年の全日本の雪辱を果たした。
ライト優勝は福島聖也(CARPE DIEM ASHIYA)。初戦が不戦勝の福島は2回戦となった準決勝を袖車絞めで一本勝利。反対ブロックの田中翔馬(パラエストラ)も初戦から積極的に極めを狙う戦いを見せ、準決勝は三角からのアームロックで快勝するも、決勝はスイープを奪った福島が2-0で勝利。
ミドル優勝はルアン・マルケス(TREE BJJ)。初戦を8-0からの腕十字で一本勝利したルアン、川尻航平(CARPE DIEM)との決勝は0-0、A1-1でタイムアップ後にパスガードのアドバンテージを得て接戦をものにした。
ミディアムヘビーとヘビーはともにワンマッチ決勝。ミディアムヘビーは木戸健太(PATO STUDIO)と昨年の青帯王者・Eboigbe Kenny Ewere(バンゲリングベイ)の対戦。身長差のある戦いは序盤で引き込みスイープに成功した木戸が2ポイントを死守して勝利。
ヘビーはドグラス・トレス(DAMM FIGHT JAPAN)が優勝。臼杵広道(CARPE DIEM)から34-0と大量ポイントを奪うも一本決着とはならず。
24人がエントリーしたオープンクラスの頂点に立ったのは田中大成(IGLOO)。階級別(スーパーヘビー)は一人優勝だった田中はダニーロ・ハマザキ、岸田宙大、福島聖也らを破って決勝に進み、藤田大(パラエストラ)を2-2、A1-0で下して優勝。銀メダルに終わった藤田だが、決勝までの4試合すべてを袖車絞めで勝利したことも書き加えておきたい。
Photo and text by 成田敏史/Satoshi Narita