今大会では特にマスター3以上の年齢カテゴリーに選手が集まっていたのが印象的だった。
マスター3は41歳以上の年齢カテゴリーで、青帯から黒帯まで、このマスター3が1番人数が多いというトーナメントが多々あり、ここが日本の柔術のボリュームゾーンなことが伺える。
40代といえばアラフォーを超えてもはや中年になっている年齢だが、この年代となると社会的にも家庭的にも余裕ができて、自分の趣味に没頭できるようになるのかもしれない。
ブラジリアン柔術もまごうことなき格闘技であるが、格闘技=若者といったイメージを覆すほど、ブラジリアン柔術ではジムでも大会でも30代〜40代の中年世代が賑わっている。
柔術家の高齢化はいいことか悪いことは判断が付きかねるが、中年にまでなってまでも楽しめるブラジリアン柔術は素晴らしいものであることに異論をはさむ余地はないだろう。
そんなマスター3黒帯ではアグレッシブさをとっては当代随一といっていい塚田市太郎が活躍。
無差別こそ優勝を逃すも階級別のフェザー級ではしっかりと優勝し面目を保った。
また白木大輔も名古屋から参戦し、相変わらずの盤石さで自らのスタイルを崩すことなくマスター3黒帯ライトで優勝し、金メダルを持ち帰ることに成功。
オープンクラス決勝戦で塚田から勝利した濱岸正幸はミディアムヘビーでも優勝し、Wゴールドを獲得している。
そして女子でもマスター3黒帯で試合が成立しており、久しぶりの試合参戦となった杉内由紀が得意の腕十字を極め一本勝ちで優勝をさらっている。
マスター3黒帯ルースター決勝戦
松本一郎(NR柔術)
vs
佐野真己(グレイシーバッハ)
電光石火の送り襟絞めを極め、なんと1分かからずのわずか46秒で一本勝ちの松本がワンマッチ決勝戦で瞬殺。
マスター3黒帯ライトフェザー決勝戦
西林浩平(PATO STUDIO)
vs
浅野良夫 (草柔会仙台)
いまやベテランの域に達した西林は得意のバタフライガードを駆使し全日本マスター優勝。決勝戦は2-0での勝利だった。
マスター3黒帯フェザー決勝戦
塚田市太郎 (DAMM FIGHT JAPAN)
vs
前田崇佑(PATO STUDIO)
ガード巧者の前田とアグレッシブなパスガードが持ち味の塚田の一戦は予想通りの好勝負で0-0/2-0で塚田が接戦を制した。
マスター3黒帯ライト決勝戦
白木大輔(CARPE DIEM HOPE)
vs
伊勢谷岳広 (パラエストラ)
このところプロ・アマ問わず精力的に試合出場を続ける白木。vsアマゾン戦を見据えて秘策を練ってきた伊勢谷も寄せ付けず2-0で圧倒。
マスター3黒帯ミドル決勝戦
岡本裕士 (RJJ)
vs
石川史俊 (CARPE DIEM)
極めの岡本とポジショニングの石川という図式の決勝戦は岡本に軍配。
マスター3黒帯ミディアムヘビー決勝戦
中村勇太 (T-REX柔術アカデミー)
vs
濱岸正幸(CARPE DIEM SETAGAYA)
ゴツゴツとしたパワーvsパワーの様相を呈した一戦はレフリー判定で濱岸が勝利し、初日の無差別と合わせて2冠達成。
マスター3黒帯ヘビー決勝戦
松村威 (野武士)
vs
カーロス・キムラ(BJJ CORE JAPAN)
試合終了間際に膠着のペナルティが松村に入り、2ポイントがセリンゲロに入って逆転負け。2-2/1-1/P3-1で惜しい試合を逃した。
マスター3黒帯オープンクラス決勝戦
濱岸正幸(CARPE DIEM SETAGAYA)
vs
塚田市太郎 (DAMM FIGHT JAPAN)
塚田悲願の無差別制覇は今年も潰えた。濱岸と拮抗した展開を作るも0-0/1-0で敗北。
女子マスター1黒帯ルースター決勝戦
ヨアンナ・タン(CARPE DIEM MITA)
vs
越後伊織 (DRAGON'S DEN)
昨年はワールドマスターにも参戦した越後はマスター3からマスター1に下がって参戦も12-0で圧倒しての優勝を決めた。
女子マスター1黒帯ライトフェザー決勝戦
芝本さおり(トライフォース)
vs
深津佐和子(DAMM FIGHT JAPAN)
安定した試合ぶりが印象的だった芝本は3:48 絞めを極めて一本勝ちで3人巴戦を制している。
女子マスター3黒帯ライト決勝戦
杉内由紀 (ポゴナ・クラブジム)
vs
中村弥生 (T-REX柔術アカデミー)
圧巻のフィニッシュだった杉内の決勝戦はフットロックのフェイクから腕十字を極め、2:47 一本勝ち。極めの強さが光った。
■大会名
第17回全日本マスター柔術選手権|17th All Japan Master JIU-JITSU Championship
■大会スケジュール
2023年2月24日(金曜/Fri.)(オープンクラス/全帯)
2023年2月25日(土曜/Sat.)(階級別/白・青帯)
2023年2月26日(日曜/Sun.)(階級別/紫・茶・黒帯)
■会場
横浜武道館 メインアリーナ
〒231-0028 神奈川県横浜市中区翁町2丁目9番地10
大会要項
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Photo and text 橋本欽也/Kinya Hashimoto