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【JBJJF】「第8回西日本柔術選手権」レポート

10月3日(日)、大阪市・丸善インテックアリーナ大阪 柔道場にて、「JBJJF第8回西日本柔術選手権」が開催された。

この大会は、当初、9月18日と10月3日の2日間に分けて開催される予定だったが、9月18日が台風の影響により中止、その日程が10月3日にスライドされ、結果的に10.3の1Day開催となった。

この日、唯一の黒帯マッチは、アダルト黒帯ライトフェザー級、宇原浩一(NR柔術)と井手智朗(エクストリーム柔術アカデミー)の対戦。

井手が引き込み、宇原が得意のコンバットベースの形からスタート。前半、お互い丁寧な試合運びを展開する中、脚をすくってのスイープで井手が先制ポイント。続いて積極的にパスを狙いアドバンテージを重ねるが、宇原が持ち前のグリップ力を発揮して致命打を与えない。そのままタイムアップとなり、スイープ2ポイント(+5アドバン)で井手がワンマッチ決勝を制した。

井手はこの前日、東京で開催された「ASJJFアジアオープン」NO-GI アダルト黒帯ライトフェザー級にも優勝しており、場所、連盟を超えての2冠を達成。敗れた宇原も「グリップがあれば、53歳でも、まだアダルトで戦える!」と、今後の活躍を匂わせた。

アダルト紫帯は、ライトフェザー級、フェザー級、オープンクラスの3カテゴリが成立。その中でも抜群の強さを見せたのが、全日本紫帯ルースター級準優勝の、ALMA FIGHT GYM HOMIESの新鋭・高杉魁(たかすぎ・かい)。爆発的なスピードとアタック力を武器に、まずはライトフェザー級2試合をオール一本勝ちで優勝。

オープンクラス決勝では東瑠光(ひがし・るこう / GRIP JIU-JITSU TEAM)と対戦し、ポイント2-2、アドバンテージ1-1からのレフェリー判定を勝ち獲り、西日本選手権2冠王となった。

紫帯フェザー級は、誠心館柔術の青山準(あおやま・ひとし)が、ハーフガードスタイルとスクランブルでの強さを活かして優勝。フェザー級とオープンクラスでダブルシルバーとなった東も、地力とセンスのあるタイプなだけに、そろそろ突き抜けるところを期待したい。

関西の茶帯は現在マスターカテゴリーが精力的で、この日はパラエストラ東大阪の酒井隆司の活躍が光った。マスター4茶帯ライト級ワンマッチ決勝は石井基善と対戦し、終始展開をコントロールして勝利。

オープンクラス初戦では同門の西山英典に勝利し、決勝、鉄人・坂本宗彦とのライバル対決を一瞬のホレッタで勝ち獲って優勝。それぞれテーマのある3戦に勝利し、ここまでの自身の集大成を見せた。

「JBJJF第8回西日本柔術選手権」公式結果は以下の通り。
公式結果はこちら

試合以外のトピックとしては、加古拓渡のJBJJFレフェリーデビューを挙げたい。この日、アダルト黒帯フェザー級にエントリーしていた加古だが、対戦相手不在により試合は不成立。本人曰く、思いつきでレフェリーテストに臨んだ。

加古はルールを熟知した上で試合展開を組み立てるタイプ。“50/50ゲーム”をはじめとする緻密なポイントの駆け引きはおなじみで、加古の試合は3審制になりがちである。そんな加古だけに、レフェリーとしての立ち振る舞いも、テスト生とは思えないくらい毅然としており、10試合ほどをこなして問題なし認定されたあと、そのまま正レフェリーデビューして数試合レフェリングしたとのこと。

大会終了後、レフェリーの感想を求めたところ「特に問題はなかった。左手の指で3ポイントのジェスチャーを出すのが難しかった」と語った(指の変形の影響だと思われる)。大会後も試合映像で自身のレフェリングをチェックするなど、研究熱心なところも素晴らしいが、何より試合が流れた機会を利用してレフェリーデビューに臨まれた姿勢に敬意を表したい。

関西で開催される年内の柔術大会は、現在、11月13日にJBJJF公認大会となる「Ground Impact(仮)」、11月23日に「ASJJF関西国際柔術オープン選手権」が発表されている。

関西柔術界の名物だった大規模練習会も、コロナ過の影響を受けて長らく開催が滞っていたが、先日、NR柔術・松本一郎氏の主催により、奈良で静かに再開された。

こうなってくるとプロ柔術の再開にも期待せざるを得ないが、そこは選手ありきでもあるため、慎重に進めたい想いもあるだろう。コロナ情勢次第ではあるが、そろそろ関西の柔術文化を引き戻す準備が必要だ。

Text by 荒木拓也(フルフォース) / Takuya Araki(FULLFORCE.inc)

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