JIU-JITSU NAVI編集長の新明です。
JBJJFの岩手県盛岡市での大会の際に、当時大会ディレクターだった僕は、草柔会岩手の阿部さんが駅と会場の間を車で送り迎えしてもらっていました。
ちょうど大会後に車中で阿部さんがキッズクラスを始めるとお聞きした。
あれから数年、阿部さんが主宰するキッズクラスの様子を時々SNSで見させてもらっていました。
”芸術クラス”という全国にも例を見ない珍しいクラス+展示会をやっていることを知り、いつかゆっくり聞いてみたいと思っていた。
今回はそのクラスと展示会について阿部さんにレポートをお願いした。
まずは前編をご覧下さい。
草柔会岩手代表の阿部宏司です。
今回は当アカデミーで行っているキッズ芸術クラスの取り組みと今年の1月~3月に開催したクラスと展示会「ココロのカタチ」についてご紹介します。
初めにキッズ芸術クラスとは?
2018年4月に設立した当アカデミーのキッズクラス(小学生クラス)では設立時から週2回の柔術クラスに加えて年間10回の芸術クラスを開催しています。
盛岡市のジムに通う小学生会員のほとんどがブラジリアン柔術と芸術クラス両方に参加しています。
私は柔術クラスの指導を担当し、芸術クラスは外部講師の川村康徳さんに依頼しています。
川村康徳|Yasunori Kawamura
1984年 岩手県盛岡市生まれ
2007年 京都造形芸術大学
空間演出デザイン学科 ファッションデザインコース卒業
2009年 個展 「止められないのは男の肉欲と」 ギャラリー彩園子1
2011年 グループ展 「センダイモリオカアート展」 宮城県美術館
アートイベント 「竹田アートカルチャー」 大分県竹田市
2014年 アートイベント 「第二回 明日の仕事、12人」 ギャラリー彩園子2
2015年 平成26年度岩手県美術選奨受賞
【キッズへの一言】
そらのいろは何色ですか?
同じ今日は二度と来ない
正解のない問答を繰り返す先のせかい
川村さんのお店「八満食堂コレコウジツ」
Instagram
芸術クラスと聞くと、個人で絵を描いたり、モノを作ったりする学校の授業のようなクラスを想像する方が多いかもしれませんが、そういったクラス以外にも子供達みんなでチームロゴを作ったり、そのロゴでシルクスクリーンTシャツ制作を体験したり、子供達が考えたグッズをネットで販売したり、ビルの屋上から手紙付きの風船を飛ばしたり、野外で子供達が撮った写真を使ってカレンダーを作ったりと本当に様々な活動をしてきました。
年度ごとに大きなテーマを決め、初年度は「自分と向き合う」2年目は「他者を想う」3年目は「自然」4年目は「繋がり」というテーマのもと合計40回のクラスを開催して来ました。今年度は「共同」というテーマで4月、5月と2回のクラスを行っています。
ブラジリアン柔術や格闘技のジムでキッズクラスに運動以外のこのような「芸術」クラスが組み込まれているのは全国的にも珍しいのでないでしょうか?
キッズクラスで作った子供達のグッズを販売しています
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キッズ芸術クラスの成り立ちと思いについて
2018年4月にキッズクラスを発足するにあたって私は「せっかく子供達と活動するならブラジリアン柔術だけではなく、他の格闘技の道場、また学校でも出来ないことを子供達に体験してもらいたい」と考え、その想いに芸術活動をしている川村さんが賛同してくれてキッズクラスがスタートしました。
私も川村さんもキッズクラス運営の経験が無い中で試行錯誤しながら4年間クラスを続けて来ました。私はブラジリアン柔術を子供達に教えながら川村さん主催の芸術クラスにもほとんど全て企画とサポート役で参加してきました。芸術クラスでは逆に子供達から学ぶ事が沢山あり、芸術クラスのおかげで私も沢山の新たな経験をさせてもらっています。
何よりジムでブラジリアン柔術の先生だけをしていると子供達をブラジリアン柔術という一つのスポーツの能力だけで判断してしまいがちですが、柔術着を着ていない子供達が様々な活動をする場に立ち会うと毎回1人ひとりの子の「個性」が見られて、私が出来ないような表現、才能に感動するたびに自分がやっているキッズ柔術クラスの指導にも謙虚な気持ちで臨むことが出来ています。
運動(柔術)が少し苦手な子でも、分野を変えればキッズの中で一番光るものを作り出す子がいます。絵が得意な子、言葉を使った表現に優れる子、独創的な着眼点でモノを見ている子、写真を撮らせたら凄く面白い表現をする子、など。
柔術を教えているだけでは見られない子供達の姿を沢山見させてもらっています。
後編へ続く
代表プロフィール
阿部宏司|Koji Abe
草柔会岩手代表 黒帯
1984年生まれ 37歳
主な戦績
JBJJF
2017年第18回全日本ブラジリアン柔術選手権 茶帯ライトフェザー級、2位
2017年第11回全日本マスター柔術選手権大会 マスター1茶帯フェザー級、優勝
IBJJF
2018年 ワールドマスター柔術選手権 マスター1茶帯ライトフェザー級、優勝
□以前書いてもらった記事
【Special】多くの柔術愛好者の方が日々の柔術ライフをより楽しむためにルール講習会を受講する事をお勧めします。ルールを学ぶと日々のスパーリングのかけひきの面白さや、試合観戦時の楽しみも倍増すると思います|阿部宏司
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