芝本幸司(トライフォース柔術アカデミー)。
JBJJF全日本ブラジリアン柔術選手権で2012年から2020年まで9連覇を達成。2016年には日本ブラジリアン柔術連盟の殿堂入りを果たしている。橋本知之(CARPEDIEM)と並んで現役で世界で活躍している数少ない選手だ。そんな芝本は全日本選手権、アジア選手権以外の大会で日本で試合をする機会はほぼない。
9月6日、西日本選手権の最終締切日にエントリーしたという情報が入ってきた。どういった経緯で今回の出場に至ったのか話を聞いてみた。
──9月18日(土)第8回西日本柔術選手権にエントリーされていましたが、どういった経緯で出場を決めたのか教えて下さい。
競技者として試合を目標に日々の練習を積んでおります。これまでは年間5大会(全日本・アジア・ヨーロッパ・パン・ワールド)を固定し、2〜3ヶ月に1大会のペースでしたので、技を練る期間と試合で試す期間とを繰り返すバランスも丁度よかったです。
しかしコロナ禍に入り、年間の試合スケジュールの固定が難しくなりました。
練習していることの方向性の確認や試合の空気感に触れ続けるためにも開催されている大会は貴重だと思っております。
今年は全日本以外にも当初から関西、東日本、関東、沖縄は出場する気持ちがありました。緊急事態宣言による大会への影響やワクチン接種のタイミングなど、諸々の調整で西日本にエントリーすることができました。
もう一つは全日本で負けたことも試合意欲をさらに掻き立てる要因となりました。試合という本番にどう準備して、どう戦うのかは未だに模索中で、全日本で感じたことを修正して試すことを早くしたい気持ちがあります。
──東京以外での試合はいつぶりですか?大阪では初試合ですか?
大阪は初めてです。東京以外ですと2015年IBJJF名古屋国際以来になるかと思います。
──今後も地方の試合に出場する予定はありますか?
JBJJFの今後の試合スケジュールは未定となっているようですので予定はないです。
開催されるのであれば視野に入れております。
──昨年11月にSJJJFの全日本選手権に出場されていましたが、今年もIBJJF、JBJJF以外の大会にも出場予定はありますか?
同じく状況が整えば出場いたします。
──今はどういったところに力を入れて練習されていますか?
試合の流れをつくる技の選択とその精度向上です。
──今までとは違う練習を取り入れたりしていますか?
私は基本「後の先」のスタイルなのですが、「先の先」を試したりしています。
スパーリング重視派なのでその練習方法は変わりません。
──12月9-12日、アメリカ合衆国カルフォルニア州アナハイムで世界柔術が開催されますが、出場予定ですか?
コロナの社会情勢がどうなるのかわからないのでそれ次第ですね。
詳しくないのですが渡航後、帰国後の隔離条件とかワクチン証明とか、身内や道場での感染者状況なども鑑みて判断しないといけないと思っています。
私自身の感染や濃厚接触者となる可能性も含めて海外遠征は確定できない状況だと思います。
──(西日本選手権での)トーナメント初戦の宇原浩一選手(NR柔術)印象を教えて下さい。
グリップがどうにもならないレベルで最強なのだと思っています。有名ですよね。
私より年齢も上の方ですし、そういった方とアダルトで試合させて頂けるのは身が引き締まる思いです。
──トーナメントもう1名の井手智朗選手(エクストリーム柔術アカデミー)の印象を教えて下さい。
オールマイティな選手だと思います。
全局面で正々堂々と戦っている印象です。
全日本からの再戦になるので気を引き締めて臨まなければと思っています。
──最後に試合に向けての意気込みをお願いします。
この状況下で大会を運営してくださるJBJJFと、対戦相手の方に感謝致します。
また全日本敗退後、アドバイスをくださった早川先生、変わらず応援してくださる皆さん、ありがとうございます。
こういったありがたい環境で柔術をやらせて頂いてるので、前回の試合から修正すべき点を踏まえながら、目の前の試合に集中して頑張りたいと思います!
あとがき
敗北を経て芝本がどのような試合をするのか!?
全日本後のこちらのInstagramの記事に大きな反響があった。是非読んで欲しい。
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Photo by 長友孝幸/Takayuki Nagatomo
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Interview and text by 新明佑介/Yusuke Shinmyo