8月8日(日)神奈川県横浜市・横浜武道館で開催された「JBJJF第22回全日本ブラジリアン柔術選手権」。
今大会の開会式で総合格闘技「RIZIN」でブラジリアン柔術のテクニックで、勝利を重ねるホベルト・サトシ・ソウザ(ボンサイ柔術)、クレベル・コイケ(ボンサイ柔術)の二人の功績を讃え、JBJJF会長の中井祐樹からOUTSTANDING ACHIEVEMENT(特別功労賞)が贈呈された。
6月13日に開催されたRIZIN初の東京ドーム大会「RIZIN.28」にてゴールデンタイムの中継でそれぞれが三角絞めで1本勝ちをおさめた。柔術愛好家は、巧みな柔術テクニックで勝利した二人に歓喜した。
2021年6月13日(日)、東京ドームにて開催された「Yogibo presents RIZIN.28」試合フル映像
ホベルト・サトシ・ソウザvsトフィック・ムサエフ/RIZIN FIGHTING FEDERATION
クレベル・コイケvs朝倉未来/RIZIN FIGHTING FEDERATION
大会後に発売された『ゴング格闘技』9月号(NO.315)、『KAMINOGE vol.116』では二人揃っての道衣姿で表紙を飾っている。
そんな旬な二人にインタビューを敢行した。
──今回全日本選手権でOUTSTANDING ACHIEVEMENT(特別功労賞)を受け、どんなお気持ちですか?
サトシ:我々は柔術の大会、試合から始めて、有名になれたのは柔術の大会で勝っていったからです。それによって自分が名前を上げていくことができたので、こうやって連盟から表彰されて本当に嬉しいです。
クレベル:サトシと同じでやっぱり柔術からスタートしてここまで来れたので、今日はすごく嬉しく思います。いま自分たちが日本で柔術の名前をまた大きくすることができているのが嬉しいです。
──お2人のRIZINでの活躍を見て、柔術をしている人たちはすごく誇らしく思ったと思います。今回表彰を受けての挨拶ではしばらく柔術の試合に出られない、そのことを寂しいと語っていましたね。
サトシ:もう13年前から日本で試合に出ていますが、いま柔術の試合に出ていくのはちょっと難しいです。いまは自分の集中している方向が少し変わってしまったからです。でも、自分はこれからもMMAで活躍して柔術の名前を上げていきたいと思います。
クレベル:柔術の試合をするのが大好きなので、私も寂しい気持ちがあります。今日は会場に来てこの光景を見てちょっと変な気持ちです。いつもは試合をするために会場へ来ていたので。やっぱり今の状況で柔術とMMAを両立させていくのは非常に困難で、両方をやろうとすると多分どっちも中途半端になってしまうので、それは自分として望むところではありません。自分は負けるのが好きではないし、今はMMAに集中していて、でもこれからも柔術の名前をみんなに知らしめるようにしていきたいと思います。
サトシ:マスター10ぐらいになったらまた出るかもしれない(笑)。でも、本当にまた出たいです。
クレベル:これからは自分の生徒たちを、自分たちが歩んできたような道を進んでいかせたいと思ってます。今は日本の柔術のレベルもすごい上がっていると思います。
──お2人は現在のMMAでの活躍の前に、柔術でもよい成績を残していました。柔術で強くなるためにはどうしたらいいでしょうか?
サトシ:私たちはすごく基本を大事にしてきました。今の柔術で見られるラペラガードや50/50ではMMAでは勝てません。なので基本の部分を大事にして、柔術は基本の部分がセルフディフェンスにも繋がっています。それがやっぱり大事だと思います。
クレベル:ベリンボロもラペラもMMAでは使うことができません。柔術の基本の技は白から黒まで全ての帯で使います。なのでMMAで戦っていく上では基本をよく知ることが大事だと思います。
──柔術の基本を大事にしてきたことがお2人のMMAでの活躍にも繋がったのですね。世界の舞台で今後日本人が勝っていくには何が必要だと思いますか。
サトシ:まずはとにかく練習を続けることです。そして、できるだけたくさん試合に出ることも大事だと思います。選手によっては世界の大会、ムンジンアルとかにしか出ない選手もいますが、もっとたくさんの試合に出た方がいいと思います。そして自分のことだけでなく、日本の柔術、日本全体のレベルをもっともっと上げていくことをいつも考えないといけないと思います。
クレベルコイケ、全日本ブラジリアン柔術選手権で心境を語る
Photo by 八木沼志保/Shiho Yaginuma
Interview by 長谷川亮/Ryo Hasegawa
Text by 新明佑介/Yusuke Shinmyo