今年のムンジアルのトピックの1つとして女子黒帯で日本から出場したフェルナンダ・クリストが3位入賞したことが挙げられる。
フェルナンダは2021年7月末に黒帯昇格を果たし、その翌月には黒帯初戦をJBJJF全日本で行い、そこで黒帯Wゴールドを達成という破格の黒帯デビューとなった。
その後、ムンジアル出場のためのIBJJFランキングポイントを獲得するために急遽渡米し、10月にラスベガスで開催されたIBJJFの新イベント「ジウジツコン」のトーナメントで階級別で優勝し、無差別でも3位入賞でムンジアル参戦のためのポイントを得た。
ジウジツコンのトーナメントの前後には日本でも知られるパウロ&ジョアオのミヤオ兄弟がニューヨークにオープンしたスタジオ1908で練習を共にして、万全の準備を経て黒帯としてムンジアルに初参加している。
ムンジアルではミディアムヘビーにエントリーし、見事に初戦を突破してメダル獲得を確定させると、続く準決勝戦では前回、前々回のムンジアル王者であるアナ・カロリーナ・ヴィレイラと激戦を展開。
一進一退の攻防の末に1アドバンテージ差で敗れ、決勝戦進出はならなかったものの、黒帯取得から半年も経たないうちにJBJJF全日本&ジウジツコンで優勝、さらにムンジアルでも3位入賞は快挙という他ない活躍ぶり。
ちなみにフェルナンダに勝利したアナカロは決勝戦でも勝利して2017年から続く連続優勝記録を“4”とし、見事にムンジアル4連覇を達成している。
若干20歳のフェルナンダは破れたとはいえムンジアル4連覇のアナカロ相手にあわやの場面を作るなどして大健闘しただけに、今年のムンジアルでは準決勝以上の戦績を残すことも充分にあり得るだろう。
まだ若く伸び代しかないフェルナンダ、これからも国内外で活躍していくのは間違いないと断言する。
ジウジツコンでの優勝を経てムンジアルのマットに立ったフェルナンダ・クリスト(EVOX)。当初は黒帯ミドルにエントリーしていたが後に体重に無理がないミディアムヘビーに階級変更した。
1回戦はブリジット・マクエリース(ヘンゾ・グレイシー)。フェルナンダは得意とする三角絞めを極め、一本勝ちで初戦を突破。
初戦を勝ち抜いたことで準決勝進出を決め、早くもメダル獲得を確定させたフェルナンダ。好調な滑り出しといえる。
準決勝の相手はいまやUFCファイターとして名を馳せるホウドウフォ・ヴィレイラの妹のアナ・カロリーナ・ヴィレイラ(AVIV)。
アナカロは2017年からムンジアル3連覇中の現役世界王者で、さすがのフェルナンダも苦戦を強いられた。ガードに引き込んでラッソーやスパイダーなどを駆使し、アナカロのパスのアタックを防御するも反撃のチャンスは見出せず。
互角の攻防を展開もポイント0-0・アドバンテージ1-0で惜敗したフェルナンダ。敗れるも3位入賞で銅メダル獲得した。黒帯1年目でこの戦績は快挙といっていいだろう。
女子ミディアムヘビー表彰台
優 勝 アナ・カロリーナ・ヴィレイラ(AVIV)
準優勝 エリザベス・クレイ(ARES)
3 位 フェルナンダ・クリスト(EVOX BJJ) クロエ・マクナリー(ユニティJJ)
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Photo and text by 橋本欽也/Kinya Hashimoto