NEWS ALL

【SAMBO】「2021プーチン大統領杯|第47回全日本サンボ選手権大会」レポート

8/28(日)一般社団法人日本サンボ連盟主催「2021年プーチン大統領杯」が墨田区総合体育館で開催されました。
プーチン杯は全日本選手権にあたり、その年の世界大会や国際大会への派遣選手選考も兼ねている大会です。
例年2月に開催されていますがCOVID-19により延期となっていました。当初100人を超えるエントリーがありましたが、緊急事態宣言によるキャンセルにより最終的に男子の階級のみ少人数での開催となりました。
また今大会から階級分けが9カテゴリーから7カテゴリーに減り、区分けも以下のように変更になりました。

男子 58kg級 64kg級 71kg級 79kg級 88kg級 98kg級 +98kg級
女子 50kg級 54kg級 59kg級 65kg級 72kg級 80kg級 +80kg級

サンボとは
※一般社団法人日本サンボ連盟のHPより


【男子58kg級】
1位:馬場元気(至学館大学)
2位:中村幸人(無所属)
3位:上田尚希(ネクサセンス)
3位:山本晃太(元町整形外科)

一番混戦が予想されたこの階級。 前大会57kg級優勝の馬場元気選手、前大会52kg級優勝の山本晃太選手、前大会62kg級準優勝の上田尚希選手、2016年ハルランピエフ記念サンボ選手権57kg級3位の中村幸人選手と、サンボに積極的に出場しているレベルの高い選手が集まり予想通り見ごたえのある試合が続いた。
初戦の河澄選手相手に勝ち上がった上田選手と馬場選手の準決勝、序盤に馬場選手得意の巴投げが決まり2ポイント先取。その後は一進一退で序盤の得点を守り切った馬場選手が勝利した。

反対ブロックでは中村選手が立ち技の強さを発揮した。足関節に持ち込もうとする山本選手を跳ね除け、1-0というポイント差ながら危なげなく決勝へコマを進めた。

決勝は寝技の馬場選手、立ち技の中村選手の戦いとなった。序盤は中村選手有利な展開で進むも、一瞬のチャンスを逃さず馬場選手がアキレス腱固めで勝利した。

馬場元気(赤ジャケット)

■優勝者インタビュー
馬場元気選手
「今回は9階級から7階級に変わって初の試合で、57kgから58kgと1kg増えました。普段は柔道を練習していますがサンボも柔術もリンクしている部分があるので、区分けするわけではなく混ぜて自分の中で消化しています。 元々はサンボも柔術(インパクト所属)も柔道のために始めましたが、はまってしまいました(笑)現在は大学から外部での練習を禁止されているので柔術の練習は出来ていません。またサンボや柔術の試合にもどんどん出ていきたいです。」


男子64kg級】
1位:平野元大(Under Cushion)
2位:久保田裕貴(グランドスラム横浜)

サンボ初参戦の平野選手とサンボベテランの久保田選手のワンマッチとなった。
前半は平野選手が立ち技でポイントを取り試合有利に進める。後半失速した平野選手は久保田選手の足関節に捕まるもなんとか耐えきったが、パッシブの累積で相手にポイントを与えてしまい同点に追いつかれた。テクニカルポイント差により辛くも勝利する。

平野元(青ジャケット)

■優勝者インタビュー
平野元大選手
「優勝しましたが、足関節を堪えて膝を負傷してしまいました。膝関節極められたのは初めてだったので。 高校まで柔道をやっていましたが、楽しそうだったのでサンボの試合に出てみました。サンボの練習もする機会が無かったので、いきなり試合で足関節をかけられ対応が分からず耐えるだけになって極まってしまいました。 とても楽しかったので、また機会があれば出場したいです。」


【男子71kg級】
1位:萩原匡平(ストライプル取手柔術アカデミー)
2位:仲村暁人(墨田サンボクラブ)
3位:平野雅大(ランクアップ平野屋)
3位:林拓海(サンボスクールゴンチャロフジャパン)

プーチン杯常連で国際試合にも出場経験のある萩原匡平選手が本命。 準決勝、萩原選手は1ポイントと平野選手のパッシブ累積による1ポイントを先取し、手堅く勝利した。

逆ブロック、林選手は足取りで2ポイント先制、その後仲村選手は2点取り同点。ラストポイントにより仲村選手が薄氷の勝利だった。

決勝は萩原選手が2ポイント先取後腕十字固めで1本、実力の差を見せつけた。

萩原匡平(赤ジャケット)

優勝者インタビュー
萩原匡平選手

「元々小学生から柔道をやっていて、ここ何年かは定期的にサンボの試合も出ています。柔術の道場であるストライプル取手に所属しているので、普段は柔術の練習をしています。高校の柔道部顧問をしているので、高校生と柔道の練習もしています。柔道・サンボ・柔術似ている所があるので、自分の中でアジャストしながらそれぞれの試合に出ています。 サンボ・柔術の試合に出るだけでなく柔道の指導にも生かしていきたいです。」


【男子98kg級】
1位:比嘉渉(YOLO)
2位:井手大心(M-WORKS GROUNDCORE 宮崎)
3位:増渕大祐(リバーサルジム横浜グランドスラム)
3位:中山賢一(三多摩サンボスクルー)

準決勝、井手選手の足払いが見事に決まり、その後も背負いなどでポイントを重ね、中山選手の反撃も届かず5-0で井手選手の勝利。

反対ブロックでは増渕選手が果敢に攻めるも比嘉選手が内股、抑え込みとポイントを重ね9-1のテクニカル1本で勝利。

決勝、比嘉選手は1ポイントと井手選手のパッシブの累積により3ポイント先取。井手選手も比嘉選手のパッシブ累積で1ポイントを得、最後は膝十字固めを仕掛けるもタイムアップで比嘉選手の優勝。

比嘉渉(青ジャケット)

■優勝者インタビュー
比嘉渉選手

「サンボの大会は今回初めて出ました。菊池先生(YOLO代表)の道場に通い始めてからサンボも練習し始めました。試合がしたくて、昨年はグラップリングに出たりしました(笑)試合が好きなので。重たい階級なので柔道やっているのとほとんど変わらなかったのですが、ルールが難しく今自分が勝っているのか負けているのか分からなかったです。セコンドも声を出せなかったので、ジェスチャーで勝っているか負けているか聞いたりしていました。決勝で足関節取られてもおかしくなかったのですが、菊池先生に足関節対策はしていただいていたので、初動は遅れましたがなんとかずらすことが出来ました。まずは取られないように防御を練習して、また今後も機会があれば出ていきたいです。」

最優秀選手賞は58kg級を制した馬場元気選手に決定、駐日ロシア・ミハイル・ガルージン大使からトロフィーを手渡された。


近藤正明会長に大会開催までの話をお聞きしました。


一般社団法人日本サンボ連盟会長 近藤正明
「2月に開催する予定が延期になり、また今回も緊急事態宣言下ということで、直前まで浅井大会実行委員長を中心としたプロジェクトチームと強化委員会と検討を重ねてきました。例年100名を超える参加者がいます。今回は蜜を避けるために1階級8人以下に絞り、8人を超える階級は強化委員会で選抜する予定でした。結果的に緊急事態宣言によりキャンセルが多数出て17名という少数の参加となり8人を超える階級は出ませんでした。大会を続けるということを一番意識しましたが、大人数で開催するようなことは考えてはいませんでしたし、何かあればすぐ中止することも同時に考えぎりぎりまで検討してきました。選手は若いのでまだワクチンを打っていない方がほとんどだと思います。選手、スタッフを含め全員2週間前からの検温と体調を提出と、前日の抗原検査を徹底させました。マットも試合中こまめに消毒するなどもしました。これは2月に開催していたらまだノウハウがなくきちんと対策が出来なかったと思います。」

一般社団法人日本サンボ連盟
2021プーチン大統領杯第47回全日本サンボ選手権大会
大会結果はこちら

Photo by 八木沼志保/Shiho Yaginuma

NAVI PLUS ログイン

マイページ

会員登録する
パスワードをお忘れの場合はこちら

カテゴリー