前回のレポートに書いた通りにこのムンジアルは慣れ親しんだロングビーチからアナハイムに会場を移して開催された。
【IBJJF】世界柔術・ムンジアル2021:黒帯ルースター〜ライト決勝戦 の記事はこちら
それはなぜかといえば、ロングビーチはロサンゼルスで、このアナハイムはオレンジカウンティということで、別々の市になっている。
いわば、東京都23区内がロサンゼルスで、東京の23区外がオレンジカウンティといったところだろうか。
今大会が開催された2021年12月はオミクロン株の蔓延し始めの初期段階で、ロサンゼルス市はマスク着用義務があったり、市民の行動制限が課せられていたりと様々な制約があった。
それに対し、ロサンゼルスの隣町であるオレンジカウンティはそういった行動制限はほぼない状態だったため、このムンジアルのような大規模なスポーツイベントの開催も実現できたようだ。
2022年になったいまも国内外でCovid-19の変異種であるオミクロン株の感染は拡大しており、ついに東京は蔓延防止条例の発令の検討もされ始めたと聞く。
ほんの数週間でもムンジアルの開催時期がズレていたら、開催自体が危うかったかも?!と思われ、こうやって無事に開催されたのは幸運だったといえるだろう。
今回のレポートでは黒帯決勝戦のミドルからオープンクラスまでをまとめて紹介したい。
黒帯ミドル決勝戦
タイナン・ダルプラ(AOJ)
vs
イザッキ・バイエンセ(ドリームアート)
コロナ禍の渦中でも精力的に試合出場し着実に結果を残していたのがこのタイナンだ。メンデス兄弟の黒帯で、今大会で初めて黒帯でのムンジアルデビューでイザッキを8-6で破る金星で初戴冠を果たす。
黒帯ミディアムヘビー決勝戦
グスタボ・バチスタ“ブラギーニャ”(ATOS)
vs
ルーカス・バルボーザ“ハルク”(ATOS)
往年のムンジアル王者であるロをレフェリー判定の末に破って決勝戦に勝ち上がったグスタボがチームメイトのハルクとクローズアウトして優勝し、2018年以来、2度目のムンジアル制覇となった。
黒帯ヘビー決勝戦
カイナン・デゥアルテ(ATOS)
vs
ルアン・リマ(シセロコスタ)
ノーギでは負けが多いがギありだとめっぽう強いカイナンがRNCを極めて優勝し2019と2021で連覇。だが大会後にはIBJJFの大会運営に不満を漏らし、次回大会は不出場とするかも?と不穏な雰囲気。
黒帯スーパーヘビー決勝戦
エリック・ムニス(ドリームアート)
vs
フェリッペ・アンドリュー(アリアンシ)
今大会では2年ぶりの開催ということで各階級で世代交代が相次いだが、この階級でも新世代の台頭が目立った。優勝したエリックはイザッキ率いるドリームアートの新鋭でもちろんムンジアル初制覇だ。
黒帯ウルトラヘビー決勝戦
ヴィトー・ウゴ(シックスブレーズ)
vs
マックス・ジメニス(GFチーム)
コロナ禍を機にサンディエゴからテキサスに移住し、シャンジとともにシックスブレーズを立ち上げたウゴが優勝。6:08 トーホールドを極めての一本勝ちで極めの強さもアピール。
黒帯オープンクラス決勝戦
フェリッペ・プレギーサ(グレイシーバッハ)
vs
ニコラス・メレガリ(アリアンシ)
この決勝戦はメレガリが中指を立てる侮辱好意でDQとなりプレギーサが不戦勝で戦わずして無差別優勝。この決勝戦の後に自らの黒帯をマットに投げ入れてムンジアルからの引退を表明しら。3位はフェリッペ・アンドリュー(アリアンシ)とカイナン・デゥアルテ(ATOS)。
Photo and text by 橋本欽也/Kinya Hashimoto