NEWS ALL

【INTERVIEW】ヒーガン・マチャド「アカデミー・ビバリーヒルズ」の日本人インストラクター三谷愛武インタビュー&9月18日のセミナー情報

──自己紹介からお願いします。

三谷:三谷愛武(みたに まなみ)です。現在はLAに住んでます。ジークンドーを経て、今はヒーガン・マチャドの「アカデミー・ビバリーヒルズ」でブラジリアン柔術を教え、また軍隊格闘技のシステマも教えています。

──武道歴を教えていただけますか。

三谷:小学生の頃、剣道と柔道をし、高校を出てアメリカに渡り、1980年代に大学のクラブでフィリピン武術を習ったのがきっかけでカリを習い、続いてジークンドーも教わり、すっかりはまってしまいました。あのブルース・リーの盟友ダン・イノサント師(『死亡遊戯』に出演)の弟子のクリス・マーカスに教わり、やがてイノサント師にも教わりました。そのうちにイノサント派の中では実戦派、武闘派と呼ばれたポール・ブナックに教わるようになり、そのブナックのジークンドーのクラスでやっていたグランドワークがブラジリアン柔術でした。実はブナックは、当時既にヒクソン・グレイシーの道場に通っていて、いつもヒクソンのすごさを語ってました。その影響で直接ヒクソンに教わりたいと思い、1992年に入門しました。第一回UFCの前だったので、まだグレイシー柔術は知られてなかった頃でした。
当時、ヒクソンの道場には、私以外、和田さんという空手をやっていた日本人がいて、二人でよく練習をしてました。後に須藤元気さんが和田さんの所に習いに来てました。あと日本からは杉良太郎さんの息子で、同じく俳優の山田純大さんが何度かヒクソンの道場に来てました。

──ヒクソンからはどんなことを教わりましたか。

三谷:ヒクソンからは多くのことを学びましたが、特に動きを中心に教えてました。形的には変わらないけど、細かいこと、理合、コンセプト、なぜこうやるのかの説明が良かったです。例えば引き込まれた時に腰をどの位置に置いたらいいかとか、足をどれだけ開いておけばいいかとか、他のインストラクターにはない身体の使い方の説明が理にかなっていてとても良かったですね。スパーもゆっくりやるのがいいと言われたし、ローリングをゆっくり何回もやるのがいいと言われ、最初は意味がわからなかったのが、徐々にわかって来たのがとても良かったです。ヒクソンとスパーをしても、相手のレベルに合わせ、無理なく力でやってこない。でも知らないうちにバックを取られてしまってました。闘争心を見せつけず、身体にも出さず、腕力で相手を振り回すようなこともしない、そんなことを一番学びました。今の柔術競技者にあまり見られない接し方、戦い方でした。
ヒクソンがよくやっていた腕を振ったり、内臓を動かすのは道場ではまったく教えず、あくまで自分の為にやっていたのでしょう。そういったヨガとかのトレーニングや山での修業はアメリカ人はまったく知らなくて、日本から情報が入ってました。やっていたのはアニマルムーブくらいでしょう。
グレイシーダイエットは果物を基本的に混ぜないで、バナナをいっぱい食べるのがいいと聞き、一日5、6本食べてました。ちなみに向こうのバナナは日本と違ってデカいです。何ヶ月か続けたけど、食べるたびに気持ち悪くなって一本にしましたね、でも道場生は、皆バナナを持ち歩いてました。第一回バーリ・トゥード・ジャパンの時、ヒクソンのセコンドとして日本について行った時、ヒクソンがオレンジを1日18個食べると言ってたので、試してみたら3、4個でお腹がいっぱいになって、18個どころかその半分も食べられず、聞いたら中の皮を食べずに、実と果汁をチューチュー口で吸うんだと言われ、また挑戦したけど皮むいて18個食べるのに1時間以上かかって、ゴミもでるし大変で諦めました。

──あの安生さんの道場破りに立ち会われたとか

三谷:ある日、道場に来たら、バンが停まっていて、中からTVカメラを持った連中が降りてきて、その後から安生さんが気合が入り、自信満々という感じで入ってきました。試合後、彼が詫び状をヒクソンに書きたいと言ったので手伝ってあげました。『ヒクソン・グレイシー自伝』のP.211の集合写真の右端に写っているバンダナをしているのが私です。

──ヒーガン・マチャドの道場で教えるようになったきっかけは

三谷:ヒクソンがLAから離れ、通いにくくなり、ヒクソンの弟子の道場に通っていた頃、肩を痛め、しばらく柔術ができなくなった時機がありました。その頃システマを始め、システマの師匠のマーティン・ウイラーがヒーガンと知り合い、ビバリーヒルズのロデオドライブから車で5分の所に共同で道場を出すことになり、「アカデミー・ビバリーヒルズ」でシステマの指導とは別に柔術のクラスも持つことになりました。マチャドでは他の兄弟に教わったこともあります。テクニックを部分的に分けて繰り返す練習を結構教えてます。例えばムーブの1~2、そして2~3とか反復的にやると身体になじみ、それを次に進めていくのがいいんです。柔道の打ち込みみたいに反復する練習はとても大事です。

──最後に日本の柔術愛好家にひと言

三谷:元々ブラジリアン柔術はブラジルに渡った際、路上でのファイトを素にしたようなもので、やがてそれがスポーツ化されていって、それはそれでいいのだけど、自分の中では柔術はすべてを含んだものなので、競技に特化したスタイルより、何でもありに対応できるブラジリアン柔術の原型スタイルを忘れないでください。例えば、護身とか競技の枠を超えた見方、考え方をすると、もっともっと自分の技も広がるし、大きな目でいろんなものを見るのはいいと思います。皆さま、柔術がんばってください。

ヒクソン・グレーシー&ヒーガン・マチャド直伝
「ロック&チョーク変化連極セミナー」
日時:9月18日(祝・月)13:45開場 14:00開始〜16:30終了
場所:トライフォース柔術アカデミー池袋本部 (池袋徒歩5分)
   東京都豊島区池袋2丁目62−1 PISO池袋 1F
費用:6,000円(8月25日申し込みまで)以降7,000円 ※当日現金払い可能
問い合わせ・申し込み
Eメール:BJJprinciple@gmail.com 三谷宛

申込はこちら

Interview by 天田憲明/Noriaki Amada(写真右)

NAVI PLUS ログイン

マイページ

会員登録する
パスワードをお忘れの場合はこちら

カテゴリー