JBJJF全日本マスターの茶帯には注目選手がエントリーしていた。
それは中村K太郎のリングネームで国内外のMMAで活躍中の中村圭太(PATO STUDIO)だ。
中村がまだ茶帯だったことにも驚くが、マスター2という年齢になってきたことにも驚きを隠せないが、イゴール・タナベと対戦して一本負けした2019年の全日本以来、2年ぶりの柔術マッチに出陣した。試合日程の都合でオープンクラスにのみエントリーした中村は1回戦を得意の裸絞めで一本勝ちすると、続く決勝戦では次々とポジションを奪っていき15-0という大差の判定勝ちで優勝を果たした。決勝戦は一本こそ奪えなかったものの、2試合とも完勝してのトーナメント制覇ということで、表彰台で柔術での所属先であるPATO STUDIOの中村大輔より満を辞しての黒帯を巻かれた。
今後も機会があれば柔術にも挑戦したいと抱負を語った中村K太郎こと中村圭太。黒帯としての試合はいつになるのか、それを心待ちにしたい。
そして紫帯では2000年代にプロ修斗で活躍していた往年の名選手である廣野剛康(トライフォース)も出場していた。MMAの選手らしく、常にトップポジションをキープするスタイルの柔術で安定した試合ぶりを見せ3試合を勝ち抜いてマスター4紫帯ライトフェザーを制した。
このように元プロの選手たちが一般の選手に混じって試合をするのがマスターカテゴリーの魅力の1つでもあるのだ。
スケジュールの都合でオープンクラスにのみ出場した中村K太郎こと中村圭太(PATO STUDIO)。マスター2茶帯オープンクラス1回戦をRNCで、決勝戦を15-0で勝利し優勝。
大会後に柔術の師である中村大輔より黒帯を巻かれた中村K太郎。長かった茶帯を卒業し感慨深げ。黒帯になってからも柔術の大会参戦をしていくというから楽しみだ。
マスター2茶帯ミディアムヘビー優勝は宮澤元樹 (PATO STUDIO)で、宮澤も中村大輔より黒帯を授与された。宮澤とK太郎は共にUNITED GYM TOKYOを立ち上げており、いい門出となったことだろう。
JIU-JITSU NAVIのインタビュー*でもお馴染みの坂本宗彦 (グレイシーバッハ)はマスター5茶帯ミドルを一人優勝し、オープンクラスで優勝でWゴールド。茶帯でも遠征しての大会参戦を続けている。
*【CLOSE UP】柔術家紹介|坂本宗彦さんはこちら
片足の柔術家である堀江航 (CARPE DIEM)がマスター3茶帯オープンクラス優勝の快挙。片足であっても技術で身体的なハンディキャップを克服できるということを身をもって証明した。
イゴール・タナベのラペラガード門下生の平村太志 (IGLOO)が3試合を勝ち抜いてマスター3茶帯フェザーで優勝。パチンコ屋の店長なのに週7で練習してるラペラ店長。
マスター4茶帯フェザーの決勝戦で大岡寛典とのCARPE DIEM対決を制して優勝した青山清利。たとえ同門でもガチ試合で覇を競うガチンコ親父。
柔術だけでなくサンボでも実績がある上田尚希 (ネクサセンス)がマスター1紫帯ライトフェザーで優勝。上田に敗れ準優勝だった橋本圭右(フィジカルスペース)もグラップリングやプロレスで頑張っている。
90年代からプロ修斗やコンテンダーズ、デモリッションなどで活躍していた往年の名選手・廣野剛康(トライフォース)も趣味として柔術を嗜んでいる。試合はマスター4紫帯ライトフェザーで金メダル獲得。
今大会の最年長カテゴリーのマスター6(56歳以上)。IBJJFルールではマスター7(61以上)まで設定されているが、JBJJFではまだ取り入れられていない。柔術は高齢になっても楽しめる競技だけに近い将来にマスター7も国内で実現することだろう。
※画像はマスター6紫帯ライト優勝の三浦傑 (ボンサイ柔術)
Photo and text by 橋本欽也/Kinya Hashimoto