JBJJF主催大会の中で最大規模を誇るのがこの全日本マスターだ。
今年は9/24〜26の3日間、神奈川県横浜市の横浜武道館にて開催された。
全日本を冠する大会はアダルトだけの全日本、ノーギの全日本ノーギ、白帯の全日本ノービスと今大会の4つあるが、複数日に渡って開催されるのは全日本マスターだけだ。
それも3日間に渡って行われるのだから、マスター世代の選手層の厚さに驚嘆する他ない。
その中で注目を集めていたのはやはり黒帯のカテゴリーだ。
黒帯ではマスター1からマスター6まで、全ての年齢カテゴリーでエントリーがあり、1人優勝も含めてはいたものの、これだけ幅広い年齢の柔術家たちが黒帯を巻いているというのは特筆すべきものだろう。
マスター黒帯はアダルトの全日本に出ていた現役バリバリの選手から、ジムの代表やインストラクター、そしてアダルトから退きながら自身の適正年齢カテゴリーで悠々自適に試合をするものなど、そのスタンスは様々。
自身のコンディションと向き合いつつ、いまも柔術に関わっておられるベテランたちの姿は、まさにすべての柔術家たちのロールモデルといっていいだろう。
そんなマスター黒帯の試合の中から厳選した好勝負をレポートする。
大会初日のベストマッチだったマスター4黒帯オープンクラス決勝戦、長田雅仁(CARPE DIEM)とヴァルテル・フランコ(IGLOO)の対戦。バックマウントで先制したヴァルテルだったが長田がバックマウントを奪い返して最後は送り襟絞めで一本勝ちで優勝。
柔道仕込みの豪快な投げで塚田市太郎(ダムファイトジャパン)を宙に舞わせた高本裕和(高本道場)がマスター3黒帯オープンクラスを優勝。階級別でも優勝し、マスター3黒帯Wゴールド獲得。
無差別では準優勝に終わった塚田市太郎(ダムファイトジャパン)だが階級別のフェザー級ではしっかりと優勝を果たす。決勝戦はMMAで活躍中の北田俊亮 (TRIBE TOKYO MMA)から勝利している。
今大会が黒帯デビュー戦だった北田俊亮 (TRIBE TOKYO MMA)はマスター3黒帯フェザーにエントリーし準優勝。決勝戦で敗れたものの、準決勝では見事な腕十字で逆転の一本勝ちで見せ場を作った。
マスター1黒帯ライトフェザー優勝の八巻祐(X-TREME EBINA)。アダルトの全日本にも出場し3位入賞しているだけにマスターでの優勝は当然の結果だろう。
リカルド・ヤギ (Jaws Jiu-Jitsu Academy)との決勝戦を腕十字で一本勝ちして制した平尾悠人 (X-TREME柔術アカデミー)がマスター1黒帯フェザーで優勝を果たした。
エントリー間違いでオープンクラスにのみ出場のヨースキ・ストー(Impacto Japan BJJ)はマスター2黒帯オープンで優勝も表彰台でこのポーズ。「メダルがないのはダメだヨォ〜!」とヨースキ。※金メダルが間に合わず後日郵送になったため表彰式では銅メダルだった。
昨年の全日本マスターでの対戦したマルシオ・ヘイス (CHECKMAT JAPAN)とアレッシャンドレ・アバキアンツ(CARPE DIEM)。今年もマスター3黒帯ミディアムヘビーのワンマッチ決勝戦で対戦しマルシオ勝利で優勝を決めた。
大会2日目のベストマッチだったマスター5黒帯フェザー決勝戦の福本吉記 (クラブバーバリアン)と井賀孝 (トライフォース)の試合。福本が優位に試合を進めるも終盤に井賀が足関節で猛攻も一歩及ばず福本勝利で2年ぶりの全日本マスター制覇。
マスター6黒帯ルースターで一人優勝の早川正城 (ジェントルアーツ名古屋ブラジリアン柔術クラブ)。これまでライトフェザーで試合をしており今大会で初めてのルースターでエントリーも対戦相手不在だっだたが「ルースターで出たことに意味がある」としてあえての一人優勝を選んだ。
Photo and text by 橋本欽也/Kinya Hashimoto